経済産業省の電力安全小委員会は、太陽光発電設備の事故原因や現状の保安上の課題を踏まえ、今後の対応の方向性について取りまとめを行った。構造設備について第三者機関による事前の適合確認を義務付けるなど、確認制度を強化する方針だ。
太陽光発電は再エネ特措法により導入が急速に拡大し、2025年3月時点の導入量は約7,680万kWに上る。また第7次エネルギー基本計画では、ペロブスカイト太陽電池の早期の社会実装等を通じて、2040年度の太陽光発電の発電電力量が、総発電電力量の23〜29%まで増加するとの見通しが示された。
太陽光発電と地域社会との共生は、安全の確保が大前提であり、電気事業法では太陽光発電設備等の設置者に対して、技術基準に適合するよう維持すること等を義務付けており、これまでも保安規制が順次強化されてきた。
しかしながら、太陽光発電はその設備数の多さから、すでに電気事故の発生件数が最も多い発電種であり、今後のさらなる大量導入に向けては、一層の保安の確保が求められる。
このため経済産業省の電力安全小委員会では、太陽光発電設備の事故原因や現状の保安上の課題を踏まえ、今後の対応の方向性について取りまとめを行った。
経済産業省は、電気工作物の電気事故について毎年度、電気保安統計としてまとめており、2024年度(令和6年度)の発電設備の電気事故件数を見ると、太陽光(太陽電池)発電設備が最多となっている。図1左グラフの「小規模事業用設置者」とは、太陽光の場合、出力10kW以上50kW未満の発電設備の設置者である。2021年度(令和3年度)から出力10kW以上の太陽光及び出力20kW以上の風力が事故報告対象に追加されたため、同年度以降、これらの事故報告件数が増加している。
また、2023年度(令和5年度)から「部品の交換等により当該設備の機能を容易に回復できる場合」が事故報告の対象から除外されたため、太陽光のPCSの被害報告件数は同年度以降、大きく減少している。なお、2023年度(令和5年度)の数値には、能登半島地震による影響も含むことに留意願いたい。
太陽光発電設備(出力50kW以上)の事故は、2023年度の計130件から、2024年度は計106件に減少した。事故の内訳としては、図2の通り「電気工作物の破損」が9割弱を占めており、これにはモジュールや架台が構造強度不足のため強風・積雪により飛散・倒壊した事故や、PCSが出火により焼損した事故等が含まれる。また、「電気工作物の破損等による物損」には、強風で飛散したモジュールが家屋に衝突して家屋を破損した事故等が含まれる。他の物件に延焼する場合、「電気火災」に分類される。
太陽光発電設備(出力50kW以上)の破損件数は、2023年度の計141件から2024年度は120件へ減少した。なお、小規模(10kW以上50kW未満)太陽光についても、事故件数は2023年度116件から2024年度26件へと減少している。
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