フォルクスワーゲンが電気自動車、2モデルを2015年に電気自動車(1/2 ページ)

フォルクスワーゲン グループ ジャパンは2014年10月、日本国内向けに電気自動車(EV)を発売すると発表した。2モデルある。まず小型車「e-up!(イー・アップ!)」の販売を2015年2月に開始する。続いて、2015年半ばに「e-Golf(イー・ゴルフ)」の販売を始める計画だ。

» 2014年10月16日 07時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 フォルクスワーゲン グループ ジャパンは2014年10月、日本国内向けに電気自動車(EV)を発売すると発表した。2モデルある。まず小型車「e-up!(イー・アップ!)」の販売を2015年2月に開始する。続いて、2015年半ばに「e-Golf(イー・ゴルフ)」の販売を始める計画だ。

 同社によれば、ドイツ政府は2020年までに100万台のEVとプラグインハイブリッド車(PHEV)の普及を計画している。フォルクスワーゲンは2020年時点の総生産台数の3%がEVやPHEVになると予想。国内市場においてもEVの重要性が高まるという認識だ。

 このため、EV投入以前から、EV化を狙った車体設計を進めてきたのだという。「いずれのモデルも母体となる車の設計時に、将来のEV化を検討済みだ。EVに必要な蓄電池(バッテリー)の設置スペースをあらかじめ用意しており、車内のレイアウトに無理が生じることがない」(同社)。同社はモーターやギアボックス、蓄電池システム、付属の電子装置と制御ソフトを全て内製しており、EVに適した設計を採りやすい。

 特にGolfは当初からモジュラートランスバースマトリックス(MQB)というモジュラー設計を採用しており、ガソリン車以外にもハイブリッド車、PHEV、EV、天然ガス車、燃料電池車に展開できるのだという。

300万円を切るかe-up!

 e-up!は同社がシティコミューターと位置付ける「up!」をベースとしたEV。価格は366万9000円(税込)。環境対応車に対する補助金制度が現状と同等であると仮定すると、適用後の価格は300万円を下回りそうだ。

 4人乗りの4ドアハッチバック車であり、同社によれば国内初の5ナンバーサイズのEVであるという(図1)。全長3545mm、全幅1650mm、全高1520mmであり、ホイールベースは2420mm。最小回転半径は4.6mだ。

 車体重量は1160kg。排気量999ccのエンジンを搭載する4ドアのup!と比較して、240kg重い。蓄電池の重量が230kgあることが影響している。この他、全高が25mm高い。

図1 e-up!の外観 出典:フォルクスワーゲン グループ ジャパン

 走行用のリチウムイオン蓄電池の容量は18.7kWh*1)。204セル構成で出力電圧は374V。床下に蓄電池をバランス良く配置しているため、車体の安定性が高く、乗り心地も良好だとした(図2)。JC08モードで1充電当たり185km走行可能だという。交流電力消費率は104Wh/km。

 12.4秒で時速100kmに到達可能である。最高時速は130km。最大出力60kW、最大トルク210Nmの三相交流モーターを搭載する。

*1) 三菱自動車の「i-MiEV」は4人乗りのEV。10.5kWhまたは16.0kWhの蓄電池を備え、1充電当たり、JC08モードで120kmまたは180km走行可能。日産自動車の「リーフ」は5人乗りのEV。24kWhの蓄電池を備え、1充電当たり228km走行できる。

図2 e-up!の構造 車体中央下部に蓄電池を、前方にモーターなどを配置した。 出典:フォルクスワーゲン グループ ジャパン

8年間、16万kmの電池保証あり

 e-up!は充電口(ポート)を2つ備えており、200Vの普通充電(約8時間)と、CHAdeMO対応の急速充電(約30分で約80%を充電)が可能。これは後ほど紹介するe-Golfにも共通する。「パナソニックとトヨタホームの普通充電器をメーカー推奨品とする。今後は当社の販売店に充電器を広げていく予定だ」(同社)。

 e-up!、e-Golfとも、蓄電池の保証期間は8年間(16万km)だ。使用できる容量が初期容量の70%を下回った場合に保証の対象となる。

 なお、スマートフォンを利用して自宅での予約充電や運転前のエアコン操作を実行できるeリモートサービス機能「Car-Net」を3年間無料で利用できる。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.