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» 2015年01月13日 11時00分 UPDATE

省エネ機器:導入しやすい地中熱、工事費を1/4に

コロナは2015年1月6日、地中熱の導入費用を従来の約4分の1に抑えることが可能な新工法「パイルファイブシステム」を開発したと発表した。地盤改良工事用の鋼管を「転用」することで工事費用を従来の約4分の1に抑えることができるという。

[畑陽一郎,スマートジャパン]

 コロナは2015年1月6日、地中熱の導入費用を従来の約4分の1に抑えることが可能な新工法「パイルファイブシステム」を開発したと発表した。

 地中熱とは、年間を通じて温度が変わらない地下の熱資源を指す。いわゆる「地熱」とは異なり、火山活動とは無関係な全国にまんべんなく存在する再生可能エネルギーである。地中熱を利用すると、空気熱エアコンよりも効率のよい暖房が可能だ。より少ない電力で暖房効果が得られる。例えば1単位の電力を使うと、地下の3単位の熱をくみ上げて、室内に4単位の熱を送ることができる(コロナの例)。

 ただし、地中に冷媒を通す管を埋め込む必要があるため、空気熱エアコンと比較して導入費用(工事費用)がかさむことが欠点だ。

 コロナが目を付けたのは、地盤改良工事で利用する鋼管。「全国の新築住宅のうち、地盤改良が必要なケースは約3分の1ある。関東地方はその倍程度、当社が本社を置く新潟県でも全国平均より比率が高い。地盤改良工事では鋼管を多数打ち込む。この鋼管(10m)を5本多く打ち、地中熱専用に使うことで工事費用を抑えるという考え方だ(図1)」(コロナ)。地中熱専用の管を使わず、一般的な地盤改良工事用の鋼管を使うメリットは2点。鋼管そのものが低コストであり、工事に用いる重機のコストを抑えることができる。

 同社によれば地盤改良工事では長さ4〜10mの鋼管を20〜50本打ち込む。5本を追加するために必要な面積は、1.8×3.5mであり、これは自動車1台分程度だ。

 図1では家屋から出た冷媒用の採熱管が5本の鋼管を直列に結んで、再び家屋に戻っていく。鋼管の内部に詰めたケイ砂には2つの意味がある。熱伝導性を高めるためと、U字チューブの位置安定性を高めるためだ。

yh20150113CORONA_five_590px.jpg 図1 パイルファイブシステムの構成(クリックで拡大) 出典:コロナ

地中熱の導入費用削減の取り組みの1つ

 同社は地中熱と空気熱を同時に利用することで、地中熱の工事費用を抑えることが可能な製品「GeoSIS HYBRID」を2014年に製品化している(関連記事)。地中熱だけを利用する従来の「GeoSIS」では約100mの埋設管が必要だったことに対し、GeoSIS HYBRIDではこれを約50mに抑えた。

 「パイルファイブシステムはGeoSIS HYBRIDと組み合わせて利用するために開発した工法だ。利用できる地中熱自体の量は従来の工法(50m×1本)の方が多いものの、空気熱を併用しているため、問題とはならない」(同社)。

 パイルファイルシステムの導入が可能な地域は次世代省エネルギー基準でいう区分III以南の都府県。北海道や青森県、岩手県、秋田県の大半を除く地域だ。「北海道のように冬が約半年続く地域では地中熱の強みを生かしやすい。宮城県以南では冬の期間がいくぶん短い。このような土地では地中熱と空気熱の組み合わせが強みを発揮する」(同社)。

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