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» 2015年01月28日 07時00分 UPDATE

省エネ機器:エアコンに「はやぶさ」の電力制御、家庭のピークカットに生かす

ダイキン工業は家庭用のエアコンにJAXAが開発した電力制御の技術を組み込んでピークカットの実証プロジェクトを開始する。小惑星探査機の「はやぶさ」に搭載した技術で、家電機器のリモコンに使われている赤外線通信を利用して電力の使用量を抑制することができる。

[石田雅也,スマートジャパン]

 「はやぶさ」の電力制御方法は機器同士が情報をやりとりしながら、個々に最適な運転状態を判断して電力の使用量を抑制できる点が特徴である。分散型の処理方式をとることで、一部の機器の故障や追加・削除の影響を受けることなく、状況に応じてリアルタイムに機器の運転状態を制御して電力の使用量を抑えることができる。

 この電力制御技術を家電機器に応用することを目的に、はやぶさを開発したJAXA(宇宙航空研究開発機構)がメーカーに無償で仕様を提供している。家電機器のリモコンに使われている赤外線通信をベースに、家庭内の配電盤から取得した電力使用量のデータをもとに機器間で情報を交換する仕組みである(図1)。

daikin1_sj.jpg 図1 「はやぶさ」の電力制御技術を住宅設備に活用するイメージ。出典:ダイキン工業、JAXA

 ダイキン工業はJAXAの仕様をもとに、家庭用のエアコンのテストモデルを開発して実用性を検証する計画だ。エアコンは夏の昼間などに電力の需要を押し上げて地域の需給状況を厳しくする大きな要因になる。はやぶさの電力制御方式を応用することで、家庭内の需要のピークを自動的に抑制して需給状況を改善する効果が期待できる。

 はやぶさの電力制御は機器間で常に情報を交換しながら各機器が独立に電力使用量の割り当てを計算する。この計算アルゴリズムをメーカーが機器に実装すれば、異なるメーカーの異なる機器を組み合わせて家庭内の電力使用量を一定以下に抑えることが可能になる(図2)。

daikin2_sj.jpg 図2 赤外線(IR)通信による異種機器間の電力制御。出典:JAXA

 ダイキン工業は1月28〜30日に東京ビッグサイトで開催する「新電力EXPO」にエアコンのテストモデルを展示して、来場者向けにデモンストレーションを実施する予定である。今後も実証を続けながら利用効果などを検証していく。

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