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» 2015年02月02日 11時00分 UPDATE

電力供給サービス:石油会社が200万kWのガス火力発電所、2021年から東京と中部へ送電

東燃ゼネラル石油は静岡県に所有する油槽所の敷地内に、最大出力200万kWの大規模なガス火力発電所を建設する。高効率のコンバインドサイクル方式による発電設備3基の構成で、2021年4月に運転を開始する計画だ。東京電力と中部電力の管内に送電できる立地を生かして電力事業を拡大する。

[石田雅也,スマートジャパン]

 火力発電所の建設予定地は静岡市の太平洋沿岸にある(図1)。隣には静岡ガスグループのLNG(液化天然ガス)基地が稼働する絶好の立地だ。東燃ゼネラル石油は200万kW規模のLNG火力発電所を6年後の2021年4月に運転開始する計画で、このほど環境影響評価の手続きを開始した。

tonen1_sj.jpg 図1 「清水天然ガス発電所(仮称)」の建設予定地。出典:東燃ゼネラル石油

 東燃ゼネラル石油が経済産業大臣などに提出した「計画段階環境配慮書」によると、油槽所の敷地内でLNG基地に隣接する区画に、合計3基のLNG火力発電設備を建設する(図2)。1基あたりの出力は50万〜60万kW級を予定していて、合計で最大200万kWの電力を供給できる発電所になる見込みだ。現在のLNG火力で最高レベルの効率を発揮するコンバインドサイクル方式を採用する。

tonen2_sj.jpg 図2 発電所の配置計画。出典:東燃ゼネラル石油
renkei_chubu_sj.jpg 図3 東京−中部間の連系設備。出典:中部電力

 発電所を建設する静岡市の清水区は富士山から約40キロメートルの場所にあって、同じ区内には中部電力の「東清水変電所」がある。

 この変電所には東京電力と中部電力の送配電ネットワークを接続するための連系設備が稼働していて、地域間で異なる周波数を変換して双方向に電力を送ることができる(図3)。 そこから近い場所で運転する発電所の電力は東京と中部の両地域で販売しやすい。

 東燃ゼネラル石油は2016年4月の電力小売全面自由化に向けて、発電事業と小売事業を拡大する準備を進めている。2014年7月には新電力(特定規模電気事業者)の登録も済ませた。当面は石油精製工場などで稼働している自家発電設備の余剰電力を利用しながら、2021年の火力発電所の運転開始に合わせて販売体制を強化していく。

 火力発電所の建設にあたっては、出力が15万kW以上の場合には環境影響評価の手続きを実施しなくてはならない。周辺地域の自然環境に与える影響を調査したうえで、地元の自治体や住民の意見も聞きながら国の認可を得る必要がある。環境影響評価の項目には、周辺地域の大気や水質のほか、動植物や景観の保全も含まれている(図4)。

tonen4_sj.jpg 図4 周辺地域からの景観。出典:東燃ゼネラル石油

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