兵庫県の西部に展開する「播磨科学公園都市」の中に3カ所の太陽光発電所が完成した。発電能力は合計7.6MWに達して、一般家庭で2100世帯分の電力を供給できる。太陽光パネルを設置する架台に県産の木材を利用することで、林業の活性化と森林の防災にも生かす。
「播磨科学公園都市」は兵庫県の企業庁が先端科学技術を集積する産業用地として1990年代から開発を進めている。その中で空いている土地3カ所に、企業庁みずからが太陽光発電所を建設した。
すでに1つ目の発電所は2014年12月に運転を開始していて、2つ目と3つ目が2015年2月中に運転を開始する。この2カ所を加えると、企業庁が2012年度から推進してきた「メガソーラープロジェクト」の発電設備は合計で10カ所になる。
新たに完成したのは「播磨科学公園都市太陽光第2発電所」と「第3発電所」である(図1)。第2は発電能力が2MW(メガワット)で2月5日に運転を開始した。一方の第3は0.6MWで2月23日に運転を開始する予定だ。
3つの中で最も規模が大きいのは12月から稼働している「第1発電所」で、5MWの発電能力がある(図2)。3カ所を合わせて7.6MWになり、年間の発電量は770万kWhを想定している。一般家庭の使用量に換算して約2100世帯分に相当する。発電した電力は固定価格買取制度で売電して、年間に2.5億〜3億円程度の収入を得られる見込みだ。
播磨科学公園都市に建設した太陽光発電設備の特徴は、太陽光パネルを設置する架台に県産の木材を利用している点にある。3カ所の合計で3万6660枚にのぼる太陽光パネルを木製の架台に設置した(図3)。
兵庫県では内陸部に森林が広がり、面積の3分の2を占める。他県と同様に林業の従事者が減って、間伐などによる森林の保全が課題になっている。
太陽光発電で再生可能エネルギーの導入量を拡大するのと合わせて、県産の木材を大量に利用することで林業を活性化する狙いがある。
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