ニュース
» 2015年03月20日 09時00分 UPDATE

法制度・規制:電力1kWhあたり1.58円、再生可能エネルギーの賦課金が2倍強に

固定価格買取制度における2015年度の買取価格と賦課金が決まった。電気料金に上乗せする賦課金の単価は1.58円で、2014年度と比べて2倍強に上昇する。標準的な家庭では月額474円の負担になる。ただし太陽光発電の買取価格が低下するのに伴って、賦課金の増加ペースは弱まる見込みだ。

[石田雅也,スマートジャパン]

 再生可能エネルギーの発電コストを国民全体で負担する制度が「賦課金」である。2015年度に必要な賦課金の総額は1兆3222億円に達する見込みで、家庭や企業などから徴収する賦課金の単価は電力1kWhあたり1.58円に決まった(図1)。2014年度の0.75円と比べて2.1倍になり、標準的な家庭(月間使用量300kWh)の場合で毎月の負担額は474円になる。新単価は5月の電気料金から適用する。

kaitori0_sj.jpg 図1 賦課金の総額と単価の推移。出典:資源エネルギー庁

 賦課金は電力会社などが発電事業者から買い取る費用の総額をもとに、年度ごとに全国一律で単価を決めることになっている。2015年度の買取費用は1兆8370億円にのぼる見通しで、それだけ再生可能エネルギーの電力が増えることを示している。同じ量の電力を通常の火力発電などで作った場合に必要になるコストを「回避可能費用」として差し引いたうえで、賦課金の単価を計算する仕組みだ(図2)。

kaitori3_sj.jpg
kaitori2_sj.jpg 図2 2015年度の賦課金の算定根拠。出典:資源エネルギー庁

 2015年度も家庭と企業の節電効果が見込めることから、2014年度よりも販売電力量が減ることを想定している。電力会社以外の小売事業者の販売量を含めても300億kWh以上の減少になる予想で、皮肉にも賦課金の単価を押し上げてしまう。今後も賦課金の単価が年度ごとに上昇していくことは確実だが、伸び率は徐々に小さくなる。太陽光による電力の買取価格が長期的に下がっていくからだ。

 太陽光の買取価格は2012年度に認定を受けた設備であれば、非住宅用で1kWhあたり40円(税抜き)の単価で20年間の買い取りが保証されている。その後は36円、32円と下がり続けて、2015年度の認定設備に対しては買取価格が27円まで低下する(図3)。6月末までに手続きを完了すれば29円だが、2015年度から価格決定のルールが変わったために、大半の発電設備は7月以降の安い買取価格になる。

kaitori1_sj.jpg 図3 2015年度の買取価格(画像をクリックすると拡大)。出典:資源エネルギー庁

 買取価格の低下によって今後は太陽光発電の導入量が伸び悩む懸念もある。とはいえ発電設備の建設コストが下がることに加えて、発電事業者の設計・運転ノウハウが向上して発電効率は高まっている。電力1kWhあたりの発電コストは着実に下がり続けて、買取価格の低下をキャッチアップできる可能性は十分にある。

 これまでに100MW(メガワット)以上の太陽光発電設備を建設・運転しているNTTファシリティーズの想定では、「2015年度も建設コストの削減と発電効率の改善によって2014年度と同等の導入規模を見込んでいる」(ソーラープロジェクト事業本部の野崎洋介副本部長)。

 太陽光発電のコストが下がり続けると、電力量料金の単価と同程度になる「グリッドパリティ」に近づいていく。再生可能エネルギーの増加が電気料金を上昇させない状況になれば、国のエネルギー政策としては理想的である。

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.