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» 2015年04月16日 07時00分 UPDATE

電力供給サービス:東京に水素社会に向けた情報拠点、水素供給や燃料電池による実証実験も

岩谷産業は東京都港区に「イワタニ水素ステーション 芝公園」を開設した。トヨタ自動車の燃料電池車「MIRAI」を展示するショールームが併設され、純水素型燃料電池による電力供給の実証も行われるなど、水素ステーションの新たなモデル拠点となる。

[長町基,スマートジャパン]

 岩谷産業は2015年4月13日、東京都港区に燃料電池車(FCV)に水素を供給するインフラ設備「イワタニ水素ステーション 芝公園」を開設した(図1)。敷地面積は1097平方メートル。液化水素を外部からトレーラーなどで運び込むオフサイト型の供給方式をとり、液化水素貯槽、ドイツのlinde社製の水素圧縮機、蓄圧設備、ディスペンサーなどの設備を備えている。充填圧力は70MPa(メガパスカル)、供給能力は340立方メートル/hで、1時間当たり6台の満充填が可能だ。水素の販売価格は「1kg当たり1100円」(岩谷産業)としている

rk_150415_iwatani01.jpgrk_150415_iwatani02.jpg 図1 「イワタニ水素ステーション 芝公園」の外観と併設されるショールーム内部の様子 出典:岩谷産業

 今回設置された水素ステーションは都心に位置する施設として、景観などにも配慮した。純水素型燃料電池による電力供給の実証も行うなど、今後の水素ステーションのモデルとしての役割も担う。さらに「TOYOTA MIRAI ショールーム」を併設しており、トヨタ自動車のFCVである「MIRAI(ミライ)」が展示される。トヨタグループの協力を得て映像などを使って車両や水素の特徴を紹介し、FCVの普及に向けた啓発にも活用できる施設となっている。

 岩谷産業は1941年から水素を取り扱っており、工業用圧縮水素・液化水素については製造から輸送・貯蔵・供給・保安までの一貫した全国ネットワークを築いてきた。同社はFCVや今後導入が期待される燃料電池バスの普及による水素需要の高まりに備え、商用水素ステーションの整備にも取り組んでいる。

 2014年7月には兵庫県尼崎市、同年10月には福岡県北九州市に商用水素ステーションを開設している。今後は埼玉県戸田市と大津市、愛知県刈谷市、山口県周南市、大阪府の関西国際空港、山梨県甲府市、福岡県福岡市などに設置することを発表している。2015年度末までに合計20カ所を自社で整備する計画だ。この他に豊田通商、大陽日酸と3社で共同出資した移動式水素ステーションを運営する「日本移動式水素ステーションサービス」も設立しており、水素供給拠点の拡充に注力している。

 FCVの普及に向けては自動車自体の技術革新による性能の向上、低コスト化とともに、水素インフラの構築が大きな課題となる。水素供給事業者は2015年度末までに100カ所程度を目標に、4大都市圏とそれらをつなぐ高速道路沿いに水素ステーションの設置を進めている。

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