国土交通省は、道路やトンネルの照明におけるLEDの導入ガイドラインを改訂し、従来利用できなかった3車線道路や、トンネルの入り口部などでも適用可能とした。
国土交通省では2010年11月にLED照明の活用に向けた実証実験「LED道路・トンネル実証実験公募」を実施。応募製品による道路・トンネル照明としての適合性や光学性能などの評価結果を取りまとめた。
これらの結果を基に2011年9月に、「LED道路・トンネル照明導入ガイドライン(案)」を公開。道路やトンネルなどにLED照明を導入するための、基本的な条件や照明設計の手法、照明器具の技術仕様やライフサイクルコスト、導入手法などの指針を表明していた。
ただ、メーカー側の技術開発の結果、適用できる範囲が拡大できるようになったことや、道路やトンネルなどの継続的に照明を利用する施設では、LED化による省エネを進めたいという思いがある点などから、ガイドライン改訂への機運が高まっており2015年4月に改訂版を公開することになった。
改訂のポイントとなったのは主に2点となる。1つ目が従来のガイドラインでは適用範囲となっていなかった領域でLED照明の活用を許可したこと。2つ目が照明灯具の技術仕様において基準点の明確化および見直しを行い、より現行の技術に合った形へ変更したことだ。
適用範囲については、道路照明、トンネル照明、歩道照明において、新たな適用範囲が定めた。道路照明については、従来のガイドラインでは3車線の一般国道や高速道路の照明灯については、LED照明は適用外となっていた。しかし、LED照明技術の向上や配光性能が向上があったため、今回の改訂では、適用条件を追加し、利用できるようにしている。
また、トンネル照明については、従来はトンネル内の基本照明のみが適用とされていた。しかし、LED照明技術の出力性能向上により、緩和部用高圧ナトリウム灯相当の高出力化が実現できるようになったことで、入口部と出口部の照明についてもLED照明を利用できるように新たに条件を追加した。
さらに歩道灯については従来は設計条件が定められていなかったが、今回の改訂で照明設計条件を追加。平均路面照度が5ルクスおよび10ルクス、照度均斉(きんせい)度が0.2以上、歩道幅員3.5メートル、灯具間隔(片側配列)30メートルなどの条件が追加された(図1)。
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