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» 2015年06月22日 15時00分 UPDATE

自然エネルギー:干拓地にメガソーラーを誘致、市の収入は20年間に1億円以上

瀬戸内海に面した日本で2番目に大きい農業用の干拓地にメガソーラーを新設する計画が進行中だ。岡山県の笠岡市が所有する土地を発電事業者に貸し付けて実施するプロジェクトで、12月に運転を開始する。発電期間の20年間に市が受け取る地代や税収などを合計すると1億円を超える。

[石田雅也,スマートジャパン]

 笠岡市の中心部から瀬戸内海に向かって、総面積が1200万平方メートルに及ぶ「笠岡湾干拓地」が広がっている(図1)。1960年代から20年以上を費やして埋め立てた農業用の干拓地で、現在も野菜や麦類の栽培のほか、6000頭を超える乳牛・肉牛の飼育が続けられている。

kasaoka3_sj.jpg 図1 「笠岡湾干拓地」の全景。出典:笠岡市政策部

 この広大な干拓地の一角で、新たにメガソーラーを建設するプロジェクトが進んでいる。笠岡市が市有地を活用したメガソーラーの発電事業者を公募したところ、9社が応募した中から、いちごECOエナジーが選ばれた。6月10日に土地の賃借契約を結んで、まもなく建設工事に入る(図2)。

kasaoka1_sj.jpg 図2 メガソーラーの建設予定地。出典:いちごECOエナジー

 いちごECOエナジーの提案内容には、笠岡市のメリットになる項目がいくつか含まれている。1つは市が得られる収入である。広さが1万3000平方メートルの建設用地の地代と税収に加えて、いちごECOエナジーが売電で稼ぐ収入の5%を市に寄付する。市の収入は年間で580万円になり、発電期間の20年間の合計では総額1億1600万円にのぼる見込みだ。

 2つ目のメリットは災害時にメガソーラーの電力を地域に供給できるようにする。メガソーラーで発電した電力を送電するためのパワーコンディショナーのうち1台を自立運転機能付きにして、停電が発生しても太陽光で発電した電力の供給を続ける。電気自動車用の急速充電器と災害用のコンセントを併設するほか、近隣の避難場所にも電力を送れるようにする計画だ(図3)。

kasaoka2_sj.jpg 図3 災害時の電力供給。出典:いちごECOエナジー

 メガソーラーは12月に運転を開始する予定で、発電能力は1.1MW(メガワット)になる。年間の発電量は133万kWh(キロワット時)を見込んでいる。いちごECOエナジーは固定価格買取制度の認定を2014年度に受けたため、1kWhあたり32円(税抜き)で売電することができる。20年間の売電収入は8億5000万円になる想定だ。

 メガソーラーの設計・施工はJFEグループの設備工事会社であるJFE電制が担当して、地元の企業に工事を発注することになっている。発注額は総額で5000万円を予定している。笠岡市にとっては地域経済の活性化につながることもメリットの1つになる。

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