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» 2015年10月13日 07時00分 UPDATE

電力供給サービス:料金が1割安くなれば16%の家庭が新電力へ、移行額は8900億円 (1/2)

野村総合研究所は2016年4月から始まる電力の小売全面自由化に向け一般家庭を対象に、新たな電気料金プランの値引き率と、電力会社の乗り換え(スイッチング)の相関性に関する調査結果を発表した。調査結果では約10%の値引きがスイッチングを促す目安になるとしている。

[陰山遼将,スマートジャパン]

 2016年4月から始まる電力の小売全面自由化により、一般家庭などでも電力会社を自由に選ぶことが可能になる。電力会社から別の小売事業者へ契約を切り替える「 スイッチング」の申し込みは、2016年1月から行える。このように小売全面自由化の開始が迫る中、野村総合研究所(NRI)が一般家庭を対象にした電力会社のスイッチングに関する調査結果を発表した。

 調査結果によれば、電力会社の乗り換えの意思決定要因として最も大きいのは「料金(割引メニュー・セット割引など)」で、全体の46%を占めた。これに続くのが「新電力会社に対する安心感(信頼度)」「切り替えの手続きが容易であること」で、ともに15%。この他「新電力会社のサービス実績」が14%、「電力発生源が自然エネルギー(太陽光・風力など)であること」が10%と続いている。

値引き率10%がスイッチングのベンチマークに

 NRIでは上記のアンケートに続いて一般家庭を対象に、既存の電力会社の料金に対する値引き率と、それに伴う電力会社のスイッチングの相関性についても調査を行った。まず電気料金以外の要素については以下のように前提条件を設定している。

  • 新電力会社のエネルギー源:石油・天然ガス
  • 変更手続のしやすさ:携帯電話会社の変更手続きと同程度
  • 安心感:スイッチング先の新電力会社は多くの人が知っている大企業
  • 実績:1年未満(周囲に新電力会社を利用している人がまれな状態)

 この前提条件で調査を行った結果、現在契約している電力会社の料金と比較して、値引き率が5%(5%安くなる)の場合は乗り換え意向を持つ世帯の割合が3%にとどまるのに対して、10%の場合は16%にまで増加したという。この結果からNRIでは「既存料金の1割引き」が消費者に電力会社のスイッチングを訴求する1つのベンチマークになる可能性があるとしている。

 さらにNRIは電気料金の値引き率とスイッチングの相関を、全国の一般家庭向けの電気料金に金額換算した場合、新電力会社に移行する電気料金は5%値引きで約1800億円、10%では約8900億円になると推計している。なお、この金額は値引き後(スイッチング後)の料金だ。

 ただしNRIでは電力会社の広告宣伝活動や、他のサービスとのセット割引料金(例えば通信サービスとのセット)などの他の要因により、今回の推定よりも高い割合で乗り換えが進む可能もあるとしている。

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