“自給自足”に向けて国内ではハイブリッドパワコンにより、太陽光+蓄電池市場の獲得を狙う。またオーストラリアで蓄電池の販売を開始。蓄電池の海外売上高100億円を2018年度に目指す。
パナソニックは2015年10月13日、都内で技術セミナーを開催し、住宅用蓄電池の事業展開について紹介した。国内では分散型エネルギー社会の進展を狙いハイブリッドパワーコンディショナーを中心に2018年度までに2300億円の売上高を狙う。また、進出を開始した海外ではオーストラリアでの展開を皮切りに他地域への展開を見据え、2018年度までに売上高100億円の実現を目指す。
住宅向け蓄電システムのニーズは2011年の東日本大震災に停電対策として生まれた。その後2012年以降は、夜間電力を活用する電気代の削減への取り組みが中心となっている。2015年からはエネルギーの自給自足を実現する「太陽光発電+蓄電システム」ニーズが高まるとパナソニックは主張する。
パナソニック エコソリューションズ社 エナジーシステム事業部 部長の北村常弘氏は「電気代高騰の影響、出力抑制で無駄になる電気の存在、売電終了後の自家消費ニーズの高まりから、太陽光の余剰電力を蓄電池にためて夜間や雨天時などに活用する太陽光+蓄電池が主流となっていく。太陽光に蓄電システムを組み合わせれば家庭で使う電気の6〜9割をまかなうことができる」と述べる(図1)。
この太陽光発電と蓄電池をセットで活用する上で、同社がカギを握る製品と位置付けているのが、太陽電池のパワーコンディショナーと蓄電池のパワーコンディショナーを兼用できるハイブリッドパワコン「パワーステーション」だ(関連記事)。
通常、家庭にソーラーシステムと蓄電システムを設置した時、太陽電池と蓄電池のパワコンを重複して使うことになり、システム的にも無駄が多かった。これを兼用パワコンとして提供することで、無駄な電力変換も必要なくなり、効率的でコスト的にも優れたシステム構築が可能となる。さらに、このパワーステーションに高度な制御機能を持たせることにより、PVや蓄電池の制御や自立運転制御などを行い、効率的な運転を行える。
「2012年からパワーステーションを展開しており、多くの実績とノウハウを持つ。太陽光発電と蓄電池システムを併用して使う環境が広がるにつれ、電力変換とともに制御する機能を持つパワコンの性能が重要になる」と北村氏は述べる。
このパワーステーションを核に2018年度には「エネルギーマネジメント事業全体で国内の売上高2300億円を目指す」(北村氏)としている。
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