高速メタン発酵でバイオマス発電、食品廃棄物から1450世帯分の電力:自然エネルギー(2/2 ページ)
日立造船の従来方式のシステムと比較すると、消費電力が少なくなるだけではなくて発電量が30%以上も増える(図3)。この結果、余剰電力による売電量が大幅に増加する。メタン発酵ガスによる電力の買取価格はバイオマスでは最高水準の1kWhあたり39円(税抜き)になることから、売電量を増やせる効果は大きい。
図3 食品廃棄物の処理量と消費・発電電力量。出典:日立造船
バイオマス発電事業は特定目的会社(SPC)の「ナチュラルエナジージャパン」が運営する(図4)。総事業費は約30億円を予定していて、24億円を金融機関からの融資で、6億6000万円を国の「地域低炭素投資促進ファンド創設事業」の補助金などから出資を受ける。発電所を建設する日立造船も5億円の出資を決めた。
図4 バイオマス発電事業のスキーム(画像をクリックすると拡大)。出典:グリーンファイナンス推進機構
補助金から1億円を出資するグリーンファイナンス推進機構によると、このバイオマス発電事業で年間に約2500トンのCO2(二酸化炭素)を削減できる見通しだ。メタン発酵ガス化によるバイオマス発電のモデルプロジェクトに位置づけて、国内に数多く残る老朽化した廃棄物焼却施設の更新を促進していく。
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