電力とガスの自由化へ攻める東京ガス、4番目のLNG基地を試運転電力供給サービス(1/2 ページ)

東京ガスは茨城県の日立港にLNG基地を建設中で、11月9日に試運転を開始する。既設のLNG基地は3カ所すべて東京湾岸にある。電力とガスの自由化に向けて北関東エリアの供給力を増強するのと同時に、災害時のバックアップ体制を強化する狙いだ。2016年3月までに営業運転に入る。

» 2015年11月09日 07時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]

 東京ガスで4番目のLNG(液化天然ガス)供給基地が茨城県の日立港内に完成した。10万平方メートルの敷地に、地上式では世界でも最大級の容量23万kl(キロリットル)のLNGタンクを備えている。大型タンカーを受け入れる桟橋もあり、海外からLNGの輸入量を増やせる体制になった(図1)。

図1 「日立LNG基地」の全景(上)、日立港内の建設地(下)。出典:東京ガス

 「日立LNG基地」は11月9日に試運転を始めて、電力の小売全面自由化よりも早く2016年3月までに営業運転を開始する。東京ガスのLNG基地は現在のところ3カ所すべてが東京湾岸にあり、ほかの地域で稼働する初めてのLNG基地になる(図2)。

図2 東京ガスの都市ガス供給エリアと導管網(画像をクリックすると拡大)。出典:東京ガス

 合わせて栃木県の真岡市(もおかし)までを結ぶパイプラインの「茨城〜栃木幹線」も2016年3月までに稼働する予定だ。真岡市では神戸製鋼所がLNGを燃料に発電能力120万kW(キロワット)の「神鋼真岡発電所」を2019年から2020年にかけて運転開始する計画がある(図3)。

図3 東京ガスグループの電源増強計画。出典:東京ガス

 このLNG火力発電所の電力は東京ガスが全量を買い取ることになっている。電力とガスの小売全面自由化に向けて、北関東エリアを含む広域で供給力を増強する狙いだ。真岡市までLNGの供給ルートを整備して発電所の建設計画を支援する。

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