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» 2015年11月12日 07時00分 UPDATE

自然エネルギー:ブルーベリー畑で太陽光発電、年間に45万円の収入を生む

静岡県の高原地帯にあるブルーベリー畑で営農型の太陽光発電が始まった。ブルーベリーの生育に影響を及ぼさないように、細長い太陽光パネルを2.5メートル以上の高さに設置した。合計108枚の太陽光パネルで年間に1万3000kWhの電力を作ることができる。

[石田雅也,スマートジャパン]
shizuoka_kawane_sj.jpg 図1 川根本町の位置。出典:川根本町役場

 営農型の太陽光発電を開始したブルーベリー畑は、南アルプスの山麓に広がる川根本町(かわねほんちょう)にある(図1)。お茶の産地として有名なところだが、近年は豊富な日射量と温暖な気候を生かしてブルーベリーの栽培にも力を入れている。

 地元の企業や住民が出資する市民参加型のプロジェクトを通じて、ブルーベリー畑の太陽光発電システムが11月2日に発電を開始した。

 ブルーベリー畑の面積は全体で300平方メートルある。そのうちの4分の1を利用して、108枚の太陽光パネルを設置した(図2)。

shizuoka1_2_sj.jpg 図2 太陽光パネルを設置したブルーベリー畑。出典:静岡県環境資源協会

 太陽光パネルは営農型の太陽光発電(ソーラーシェアリング)に適した細長いタイプを採用した(図3)。サイズは1480(縦)×500(横)×35(厚さ)ミリメートルで、重量は8キログラムと軽くできている。1枚あたりの発電能力は通常の太陽光パネルの半分程度に相当する112W(ワット)ある。合計108枚で12kW(キロワット)の電力を作ることが可能だ。

shizuoka4_sj.jpg 図3 ソーラーシェアリング専用の太陽光パネル。出典:発電マン

 傾斜地にあるブルーベリー畑に配置するために、5メートルの支柱を立てて、地上2.5〜3.0メートルの高さに架台を設置した(図4)。パネルの傾斜角は南向き20度になっている。さらにパネルのあいだは78センチメートルの間隔を空けて、パネルの下にも太陽光が十分に当たるように計算した。この配置で遮光率を27%にとどめた。

shizuoka3_sj.jpg 図4 太陽光パネルの配置。平面図(上)、東立面図(下)。出典:発電マン

 年間の発電量は1万3000kWh(キロワット時)を想定している。一般家庭の電力使用量(年間3600kWh)に換算すると4世帯分弱になる。全量を中部電力に売電して、年間に45万円(税込み)の収入を20年間にわたって得られる見込みだ。

 太陽光発電設備の導入費用はパワーコンディショナー2台と工事費などを含めて378万円かかった。出資者に対しては10年間かけて、年利1%を加えた出資金の1割と地域の特産品を毎年還元することになっている。

 太陽光パネルの下で栽培するブルーベリーは木の高さが1.5メートル以下に収まり、生育にも影響が生じないと判断している。農作業には機械を使わないため、畑の中に支柱を設置しても支障は生じない。ブルーベリーの収穫量は地域の平均値と同程度を予想しているが、収穫後の品質を比較分析したうえで今後のプロジェクトにつなげていく。

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