佐賀県の山間部に広がる2枚の棚田を利用して、稲を育てながら太陽光で発電する実証プロジェクトが進行中だ。58枚の太陽光パネルを田んぼの上部に設置した状態で、田植えから2カ月が経過した。太陽光パネルの下でも稲は順調に育っている。発電した電力は農家の新たな収入源になる。
農村の活性化を目指して「米と発電の二毛作」に取り組むプロジェクトがある。稲作が盛んな佐賀市の三瀬村(みつせむら)で棚田の上部に太陽光パネルを設置して、営農型の発電事業を実用化する試みだ(図1)。
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が太陽光発電の可能性を広げるために、2014〜2016年度の3年間で実施する。2年目の2015年度に入って、いよいよ稲作と発電が始まった。3月に太陽光パネルの設置を完了して、5月中旬に田植えを終えた。田植えから2カ月が経過して稲は順調に育ってきた(図2、図3)。
7月31日には九州電力の送配電ネットワークに接続して発電を開始する予定だ。九州では太陽光発電の導入量が急増して接続までに時間がかかっている。棚田に発電設備を設置してから4カ月が経過して、ようやく送配電ネットワークに接続可能になった。
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