ニュース
» 2015年12月21日 13時00分 UPDATE

自然エネルギー:伸び悩む再生可能エネルギー、木質バイオマスだけ着実に増加

スタートして4年目に入った固定価格買取制度の認定状況が思わしくない。太陽光発電設備で認定の取り消しが数多く発生する一方、風力・中小水力・地熱の新規案件が伸び悩んでいる。バイオマスだけは木質を燃料に使う発電設備が茨城県や愛知県で認定を受けて拡大が続く。

[石田雅也,スマートジャパン]

 固定価格買取制度の認定を受けた発電設備が7月と8月の2カ月連続で減少していることが明らかになった。資源エネルギー庁が発表した2015年8月の認定容量は前月比で31万kW(キロワット)のマイナスだった(図1)。7月の34万kW減と合わせて、2カ月間に65万kWも少なくなっている。

kaitori201508_sj.jpg 図1 固定価格買取制度による再生可能エネルギーの導入・買取・認定状況(2015年8月末。画像をクリックすると拡大)。各欄の下段の数字は前月比。バイオマスは燃料に占めるバイオマスの比率を反映。出典:資源エネルギー庁

 最大の要因は太陽光(非住宅)で過去に認定を取得した発電設備が数多く取り消し処分を受けたことだ。さらに7月から買取価格が2円下がって27円(税抜き)になったため、新規の認定件数もさほど伸びていない。7月と8月で太陽光(非住宅)の認定容量は94万kWも減少した。当面は縮小傾向が続くだろう。

 そのほかの風力・中小水力・地熱も伸び悩んでいる。1カ月間の認定容量は全国を合わせても風力が4620kW、中小水力が1657kWの増加にとどまり、地熱は25kWの減少だった(図1では1万kW未満を四捨五入して「+0」と表記)。バイオマスだけは着実に認定容量が増えて、合計で3万2710kWの発電設備が認定を受けた。

 特に規模が大きいのは茨城県の北茨城市で計画中の2万6885kWのバイオマス発電設備だ。燃料に一般木質(製材後の端材や東南アジアから輸入するパームヤシ殻など)を利用する。同様に愛知県の武豊町でも一般木質を燃料に使うバイオマス発電設備が5800kWで認定を受けた。バイオマス発電は燃料さえ調達できれば、安定した発電量で収入を確保しやすい利点がある。

 太陽光からバイオマスまでを含めて実際に運転を開始した発電設備の導入容量は65万kW増加した。大半は太陽光発電で、ほかの再生可能エネルギーはほとんど増えていない。8月の買取量を見ると、太陽光が住宅(10kW未満)と非住宅(10kW以上)の合計で全体の80%を占めている(図2)。夏の昼間の電力需要が上昇する時に、太陽光の電力が増えるのは望ましい傾向だ。

kaitori201508_2_sj.jpg 図2 月間の買取電力量の推移(単位:万キロワット時。画像をクリックすると拡大)。資源エネルギー庁の公表データをもとに作成

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.