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» 2016年01月21日 09時00分 UPDATE

自然エネルギー:バイオガス発電で食品リサイクルへ、1日80トンの廃棄物から940世帯分の電力 (1/2)

毎日大量に発生する食品廃棄物を利用したバイオガス発電所の建設プロジェクトが静岡県の牧之原市で始まった。総工費18億円をかけてバイオガス発電設備と食品廃棄物の中間処理施設を建設する計画だ。地元の金融機関を中心に全額を民間企業が融資して、地域ぐるみで食品リサイクルに取り組む。

[石田雅也,スマートジャパン]

 牧之原市のバイオガス発電所は「カロリー・リサイクル社会」を目指すアーキアエナジーがプロジェクトの推進役を務める。カロリー・リサイクルは日本国中で大量に発生する食品廃棄物を有効に活用して、飼料やエネルギーを生み出しながら食物の生産につなげる試みだ(図1)。食品廃棄物を発酵させて作るバイオガスで発電することができる。

makinohara1_sj.jpg 図1 食品廃棄物を活用した「カロリー・リサイクル」の流れ(画像をクリックすると拡大)。出典:アーキアエナジー

 アーキアエナジーは牧之原市が運営する「白井工業団地」の中にバイオガス発電所を建設する(図2)。発電能力は650kW(キロワット)で、年間の発電量は340万kWh(キロワット時)を想定している。一般家庭の使用量(年間3600kWh)に換算して940世帯分に相当する。運転開始は2016年10月を予定している。

makinohara7_sj.jpg 図2 牧之原市の位置と主要施設。出典:牧之原市市民生活部

 バイオガスの元になる食品廃棄物は牧之原市と周辺地域を合わせて全量を静岡県内から収集する。1日あたり80トンの食品廃棄物を利用する計画だ。バイオガス発電所のほかに食品廃棄物の中間処理施設も建設して一貫処理体制を構築する。

 総工費は18億円を見込んでいる。公的な補助金は使わずに、全額を地元の銀行や信用金庫などからプロジェクト・ファイナンス(事業の収益や設備をもとに資金を融資する)方式で調達する。さらに発電所の土木建設工事や稼働後の運営も地元の事業者に発注して、地域内で経済とエネルギーを循環させる狙いだ。

 発電した電力は固定価格買取制度を通じて売電する。バイオガスによる電力の買取価格は1kWhあたり39円(税抜き)で、年間の売電収入は約1億3000万円になる見込みだ。売電先は大阪府を拠点に「Japan電力」のブランド名で電力を販売するアンフィニである。

 アーキアエナジーは牧之原市のプロジェクトをモデルにして、「食品リサイクルと地方創生の融合」をコンセプトに他の地域にもバイオガス発電所を展開していく。現在までに2カ所で建設計画が進んでいて、いずれも2016内に着工する予定だ。

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