「人工知能」による制御で電力削減、水冷式空調のポンプやファンを省エネ機器(1/2 ページ)

NTTファシリティーズは、水冷式空調制御システム「SmartStream-X」の販売を開始する。一括導入でなく段階的に導入可能としているため、初期投資を抑えて効果を確認しながら進められる。

» 2016年01月26日 07時00分 公開
[三島一孝スマートジャパン]

 地球温暖化対策として省エネに大きな注目が集まっている(関連記事)。オフィスビルで消費されるエネルギーの内、約3割は空調によるものとされており、消費電力の削減には空調の効率化は必須である。

 空調システムの多くは、BAS(Building Automation System)と呼ばれる中央制御設備のもと、熱源機や循環送水ポンプの制御や空調機の風量制御などを行っている。しかし、空調制御については、過剰運転をしているのが現状であり、省エネに向けた制御方法には改善余地が多く残されている。

 これらの状況改善を目指しNTTファシリティーズでは2013年から最先端ICTと空調制御を組み合わせた水冷式空調制御システム「SmartStream」を展開。室温、湿度、給・排気など、水冷式空調に関わる全ての機器を統合し、自律制御することで、最小限のエネルギーにより、快適な室内環境を維持できる点などを訴求。これまでに、クリーンルームやデータセンターなどの空調消費電力の大きい施設などへの導入の他、保健体育施設、大規模の公立病院、大型商業施設など約15施設に導入し、平均で約3割の空調に関わる消費電力削減に貢献したという(図1)。

photo 図1 NTTファシリティーズのSmartStreamの概要図 出典:NTTファシリティーズ

 今回新たに開発した水冷式空調制御システム「SmartStream-X」は、「SmartStream」を発展させ、段階的導入を実現したものである。ポイントは「人工知能」技術などを搭載した分散型制御システムであるという点だ。


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