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» 2016年01月28日 07時00分 UPDATE

電力供給サービス:“行動型デマンドレスポンス”を実現、東京電力が提携する米ベンチャーの実力 (1/3)

米Opowerの日本法人オーパワージャパンは「新電力EXPO 2016」に出展し、同社の電力事業者向けの顧客データ分析サービスをアピールした。同社は2007年創業のベンチャー企業だが、現在全世界で98社、米国の上位電力会社の75%がそのサービスを利用しているという。2013年には東京電力との提携も発表している。“行動型デマンドレスポンス”を可能にするという同社のサービスの詳細について取材した。

[陰山遼将,スマートジャパン]

 2016年4月から始まる電力の小売全面自由化に向け、事業者間の顧客獲得競争が加速している。そして自由化が始まれば、小売事業者は顧客の獲得だけでなく、獲得した顧客に対していかにアプローチし、付加価値を提供して他社への乗り換えを防ぐかという戦略も重要になってくる。顧客から得たデータを解析し、自社のサービスを改善していくことも必要になってくるはずだ。

 東京ビッグサイトで開催された「新電力EXPO」(2015年1月27〜29日)では、さまざまな企業が小売電気事業者向けにこうした顧客管理やデータ解析に関連するソリューションをアピールしていた。

 その1社が米Opowerの日本法人であるオーパワージャパンだ。Opowerは2007年に米国で創業したベンチャー企業で、電力会社などが抱える顧客の電力使用量データを解析し、各世帯の省エネを支援するサービスなどを展開している。創業して10年にも満たないが、現在世界で約98社の電力・ガス事業者と提携しており、米国では電力会社上位20社のうち、約75%の企業が同社のサービスを利用しているという。

 既に日本にも進出している。2013年には東京電力と提携し、同時に日本法人であるオーパワージャパンを設立した。現在、東京電力が提供している「でんき家計簿」の一部のにOpowerのシステムが利用されている。ベンチャー企業ながらグローバルで高い採用実績を持つOpowerだが、そのサービスとは一体どんな内容なのか。同社のブースを取材した。

rk_160127_opawaer01.jpg オーパワージャパンのブース

ユーザーからは見えないOpowerのビジネスモデル

 まずOpowerのビジネスモデルから説明する。Opowerは電力事業者が契約を結び、その事業者が抱える顧客の電力使用量や傾向を解析する。ポイントとなるのが解析だけでなく、各顧客に対して電力使用量や省エネのポイントなどについての通知も行うという点だ。

 そして、Opowerはこの通知を契約した電力事業者のサービスとして行うため、通知を受けるユーザー側からは「Opowerからの通知」というようには見えない。電力事業者の視点から見ると、顧客に対してOpowerのサービスを自社のサービスのように提供できるというわけだ。

 ここまでは他社も提供している電気使用量の“見える化”サービスと同様だ。しかし同社のサービスが米国の電力会社に広く採用された理由は、使用電力量などの“見える化”だけでなく、それに伴い顧客に対して省エネに向けた行動を起こさせる独自の通知サービスにあるという。

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