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» 2016年03月01日 13時00分 UPDATE

エネルギー管理:島のエネルギーを丸ごと管理、宮古島がEMS実証を日本で初めて事業化へ (1/2)

離島のエネルギー課題の解決に向けて積極的な実証を進めてきた沖縄県の宮古島が、新たな取り組みを開始する。これまでに行ったEMSで島内のエネルギー需給を管理する実証を、地元の民間企業と共同で“ビジネス化”する計画だ。電力需要の平準化やエネルギーコストの低減、再生エネ導入量の拡大などに取り組む方針で、需給協調型のEMS事業として確立できれば国内初の事例になるという。

[陰山遼将,スマートジャパン]

 沖縄県の宮古島市は2016年2月26日、同市がこれまで実施してきた「宮古島市全島エネルギーマネジメントシステム実証事業」(以下、全島EMS実証事業)のビジネス化(事業化)に向け、地元企業のすまエコと共同で取り組むことに合意し、基本協定を締結したと発表した(図1)。

rk_1602229_sumaeco01.jpg 図1 調停式の様子。宮古島市超の下地敏彦氏(左)とすまエコ 代表取締役社長の宇佐美徹氏 出典:宮古島市

 将来のエネルギー供給体制を考える上で、課題の1つとなるのが離島の問題だ。島内の電力を効率的に使わなければ停電のリスクが常に生じるため、安定的なエネルギーの地産地消を行える体制を整えていく必要がある。さらにCO2排出量削減の観点から見ても、離島の発電源として多く利用されるディーゼル燃料の使用量を抑え、同時にこうしたエネルギー資源の島外依存度を下げていくことも重要だ。

 沖縄本島から南西に約290キロメートル離れたところに位置する宮古島は、こうした離島のエネルギー課題に国内でもいち早く取り組んできた地域だ。2013年10月から「島嶼型スマートコミュニティ実証事業」の一環として、島内の住宅、商業施設、再生可能エネルギーによる発電設備などをEMS(エネルギーマネジメントシステム)で一括管理する全島EMS実証事業を進めてきた。

 同事業では200世帯の家庭、25カ所の事業所、19カ所の農業用の揚水ポンプ場になどに電力使用量を“見える化”するシステムを導入し、島内の電力需要を調整するピークカットやピークシフトを検証。さらにEMSで需要制御を行うデマンドレスポンスの実証、風力や太陽光などの再生可能エネルギーによる発電設備の導入拡大にも取り組んできた(図2)。

rk_160229_sumaeco02.jpg 図2 全島EMS実証事業の概要 出典:宮古島市

 今回のすまエコとの基本協定の締結の目的は、これまで宮古島市が取り組んできたこの全島EMS実証事業を、ビジネスとして確立し、事業化することが目的だ。政府からの補助を受けて行う実証事業ではなく、民間企業との共同による需給協調型のEMS事業として確立できれば、国内初の事例となるという。

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