「尺寸」を取り入れた太陽電池、京セラが新ブランドで展開へスマートエネルギーWeek 2016(1/2 ページ)

京セラは、太陽光発電関連の展示会「PV EXPO 2016」に出展し、住宅用太陽電池モジュールの新ブランド「RoofleX」を初めて一般公開した。国内市場では太陽電池モジュール単体の販売は厳しいと見られているが「取り組む方向性によってはまだまだやれることがある」(京セラ ソーラーエネルギー事業本部 マーケティング事業部長 池田一郎氏)としている。

» 2016年03月03日 18時00分 公開
[三島一孝スマートジャパン]

 京セラは2016年3月1日に、住宅用太陽電池モジュールの新製品として新ブランド「RoofleX(ルーフレックス)」7機種を発表。エネルギーの総合展示会である「スマートエネルギーWeek 2016」(2016年3月2〜4日、東京ビッグサイト)内の「PV EXPO 2016」に出展し、一般に初披露した(図1)。

photo 図1 「PV EXPO」において「RoofleX」ブランドを初めて一般公開

尺寸を採用し、7種のバリエーションで屋根にすき間なく積む

 RoofleXは、限られた屋根スペースを効率的に活用し、屋根全体での発電量の向上を実現することをコンセプトとしている。ポイントとしたのは「ジャストフィット」「フレキシビリティ」「パワフル」の3つである。

 「ジャストフィット」は「日本の屋根に徹底的に合わせる」というコンセプトである。従来の太陽電池は、メーカーが作りやすいように設計されており、長さも基本的には「メートル法」が採用されている。一方で屋根などの住宅建造物は「尺寸法」が採用されるケースが多く、台形などのモジュールサイズなども用意しているものの、基本的な寸法が合わずに、屋根をきれいに太陽電池モジュールで覆うことなどができなかった。Rooflexは、長方形タイプのモデルに尺寸法を適用し、日本の屋根にぴったり収まるようにした。そのため同じ屋根面積でもより多くの太陽電池モジュールが載せられるようになったという(図2)。

photo 図2 左がメートル法、右が尺寸法に対応したモジュール。尺寸法に合わせるためにセル間の幅を縮めている(赤丸部分で比較)(クリックで拡大)

 「フレキシブル」としたのが、7種類の専用モジュールを開発したことだ。長方形や台形などさまざまな形状を用意し、複雑な屋根形状でも柔軟に対応できるようにしている(図3)。

photo 図3 7種類のバリエーションを用意 出典:京セラ
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