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» 2016年03月08日 15時00分 UPDATE

スマートシティ:複数施設のエネルギー需給体制を可視化、スマートシティの設計を支援

大林組はスマートシティでのエネルギーシステム設計支援ツール「エコナビ(シティ版)」を開発した。今後、この支援ツールを用いて、都市内の街区、大規模な学校、病院施設などに最適なエネルギーシステムを提案していく。

[長町基,スマートジャパン]

 建物の運用エネルギーを減らすことはコスト削減だけでなく、地球温暖化を抑制する上でも非常に効果的だ。大林組が1998年に開発した「エコナビ」は建物への省エネ手法適用の効果とコストの関係を「見える化」し、最も効果的な省エネ手法の組み合わせを導き出す設計支援ツールとなっている。同社では最初に開発した一般の新築建物を想定した汎用版に続き、その後、マンションなどさまざまな建物新築やリニューアルなど、用途に合わせた各種エコナビを開発し実績を重ねてきた。

 このところ各地で計画されているスマートシティでは個々の建物の省エネ・低炭素化に加え、面的広がりをもったエリアで複数の建物群をネットワーク化し、分散型電源システムの導入や建物間での電気・熱の融通などエネルギーの共同利用(面的利用)により、さらに大きな省エネ効果を得ることが期待される。

 今回開発したシティ版のエコナビは、そうしたエネルギーの面的利用に際して、最適なシステムを設計するために、複数の建物や施設からなるエリアの省エネ・低炭素化、さらに電力自給率を簡単に評価できるツールとなっている(図1)。

rk_160303_smartcity01.jpg 図1 「エコナビ(シティ版)」の概要 出典:大林組

 特徴としては、複数の建物などからなるエリアの熱需要と電力需要に対して、従来の系統電源や都市ガスに加え、ガスエンジンや燃料電池によるコージェネレーションシステム、太陽光発電設備、大型蓄電池設備など、各種分散電源を組み合わせたエネルギーシステムを計画。エリア内の建物条件(面積や用途など)、各種設備の容量と性能、運転条件などを設定することで、年間のエネルギー費、エネルギー消費量、CO2排出量などを簡単に評価する。

 また、各種設備などの工事費やメンテナンス費などの概算データを内蔵しているため、各種計画条件に対する費用対効果の評価が行うことが可能だ。併せて導入を計画する熱電供給システムの事業性も内部収益率(IRR)により評価できる。計画条件の変更を繰り返しながら、事業性、省エネ性、低炭素性、電力供給の安定性に配慮した最適な組み合わせを探索する。

 さらに設計するエネルギーシステムの任意の時刻や時間帯における電力自給率や蓄電池の放電可能時間年間出現頻度の形で予測。求められた任意時間帯のエリア内での電力自給率とその自給率の年間達成確立によりBCP対応性を評価する。

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