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» 2016年05月12日 07時00分 UPDATE

自然エネルギー:地熱でトマトを作る北海道・壮瞥町、電力会社2社が発電に向けて資源調査 (1/2)

北海道でも有数の火山地帯にある壮瞥町で地熱資源の開発プロジェクトが本格的に始まる。北海道電力と九州電力が共同で発電事業に向けた地熱資源の調査に乗り出す。2016年度内に地表調査を実施した後に、2017年度から掘削調査を進めて発電事業の可能性を判断する計画だ。

[石田雅也,スマートジャパン]

 北海道電力と九州電力は壮瞥町(そうべつちょう)の東部に広がる「黄渓(おうけい)地域」で地熱資源調査を実施する(図1)。この地域には1973年まで硫黄の鉱山があり、火山の作用で作られた硫黄が大量に眠っている。閉山によって住民がいなくなった地域に、地熱発電所を新設する可能性が高まってきた。

図1 地熱資源調査の対象地域。出典:北海道電力、九州電力

 壮瞥町の西部には近年の噴火で知られる有珠山(うすざん)と昭和新山の2つの活火山が並び、一帯には地熱資源が豊富にある。1980年代に地熱水を利用した野菜団地を町内に建設して、ビニールハウスの中で野菜の栽培を開始した(図2)。現在は町の名産品になった「オロフレトマト」の生産に地熱を生かしている。

図2 地熱を利用した野菜団地の全景(上)、ビニールハウスで生産する「オロフレトマト」(下)。出典:壮瞥町

 「再生可能エネルギーのまち」を掲げる壮瞥町は地熱資源の利用範囲を拡大するため、2014年度から国の補助金を受けて地熱発電に向けた調査を開始した。黄渓地域の北側にある温泉地の「蟠渓(ばんけい)地区」に調査井(ちょうさせい)を掘削して、資源量の調査を進めている(図3)。

図3 壮瞥町内で実施中の地熱資源調査。出典:壮瞥町

 新たに電力会社2社が壮瞥町と協定を結んで、本格的な地熱資源調査に乗り出すことになった。調査範囲は約2キロメートル四方に及ぶ。2016年度に地表調査を実施して一帯の地下構造を推定する。続いて2017年度から調査井を掘削して資源量の評価を進める予定だ(図4)。

図4 2016年度から実施する地熱資源調査。出典:北海道電力、九州電力
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