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» 2016年05月17日 07時00分 UPDATE

法制度・規制:電力のCO2排出量を34%削減へ、閣議決定した「地球温暖化対策計画」 (1/2)

政府は国全体の温室効果ガス排出量を2030年度に26%削減するため「地球温暖化対策計画」を閣議決定した。産業から家庭まで含めて省エネルギー対策を推進していく。温室効果ガスの4割を排出する電力の分野では、再生可能エネルギーを中心に低炭素電源の拡大が最重要のテーマになる。

[石田雅也,スマートジャパン]

 内閣が5月13日に「地球温暖化対策計画」を閣議決定したことで、CO2(二酸化炭素)を中心とする温室効果ガスの削減に向けて具体的な対策が本格的に始まる。2030年度の温室効果ガスを26%削減(2013年度比)する必要があり、温室効果ガスの大半を占めるエネルギー起源のCO2排出量の削減に国を挙げて取り組んでいく(図1)。

図1 エネルギー起源のCO2排出量と削減目標。t-CO2:CO2換算トン。出典:環境省

 国内のCO2排出量の内訳を見ると、化石燃料から電力などを作る「エネルギー転換」によるものが8%あるほか、産業から家庭までの各分野で消費する電力のCO2排出量が34%にのぼる(図2)。両方を合わせて全体の4割に達することから、電力に伴うCO2排出量の削減が国全体で取り組むべき最も重要な課題になっている。

図2 部門別のCO2排出量(2013年度)。出典:環境省

 これまでも政府は1997年に世界の主要国が採択した「京都議定書」に基づいて、温室効果ガスの排出量を削減する対策を実施してきた。2008〜2012年度の排出量を1990年度比で6%削減する目標だったが、2011年に発生した東日本大震災によって達成が困難になってしまった。

 そこで2013年に改めて目標を設定し直して、2020年度に3.8%(2005年度比)の削減を目指すことにした。さらに2015年末にパリで開催した国際会議では、2030年度の削減目標にも各国が合意した。日本の目標は2005年度比で25.4%減、2013年度比で26.0%減である。

 2013年度の実績では2005年度と比べて排出量が0.8%増加している状態だ。オフィスなどの業務部門と家庭部門のCO2排出量が10%以上も増えたことによる(図3)。東日本大震災の後に火力発電の比率が上昇して、電力の利用に伴うCO2排出量が拡大したからだ。一方で電力の割合が低い工場などの産業部門や自動車などの運輸部門では、すでに2005年度比で6%の削減を実現できている。

図3 国全体の温室効果ガス排出量(画像をクリックすると拡大)。出典:環境省

 このため新たに策定した「地球温暖化対策計画」では、業務部門・家庭部門・エネルギー転換部門のCO2排出量の削減目標を高く設定した。それぞれ2030年度までに30%前後の削減が求められている。

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