電力小売の全面自由化ではITを活用した顧客情報管理システムが重要な役割を担っている。関西電力グループの関電システムソリューションは小売電気事業者を対象にしたシステム販売でNECと提携した。協業の第1弾としてKDDIの「auでんき」に顧客情報管理システムを提供した。
関電システムソリューション(KS-SOL)とNEC(日本電気)は小売電気事業者向けの顧客情報管理システム「NISHIKI」の代理店契約を締結した。NISHIKIはKS-SOLが関西電力のシステムを開発・運用してきたノウハウを集約してパッケージ化したものである。電気料金の計算機能をはじめ、電力の需給調整を担う「電力広域的運営推進機関」(広域機関)のシステムと連携する機能も含んでいる(図1)。
両社は5月18日にNISHIKIの販売で提携することを発表したのと合わせて、KDDIが4月1日にサービスを開始した「auでんき」の顧客情報管理システムにNISHIKIを提供したことも明らかにした。KDDIは全国(沖縄県と一部の離島を除く)の家庭を対象にauでんきを展開するにあたり、関西エリアでは関西電力をパートナーに選んでいる(図2)。販売面に加えてIT(情報技術)システムでも協業を進めた形だ。
NISHIKIは小売電気事業者に求められる3種類の業務をカバーしている。電力の契約変更の手続きを含む「顧客管理」の機能に加えて、送配電事業者から提供される30分単位の電力使用量のデータに基づいた「料金計算」、金融機関と連携した「収入管理」で構成する(図3)。
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