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» 2016年05月20日 13時00分 UPDATE

自然エネルギー:地熱資源の開発で26地域に補助金、北海道・東北を中心にプロジェクトが広がる (1/2)

政府が2013年度から続けている地熱資源の開発を促進する補助金制度が4年目に入った。2016年度の1次公募では全国の26地域が補助金の対象に選ばれて、地熱発電に向けた調査や発電後の熱水利用を進めていく。地熱を生かした野菜の栽培やエビの養殖プロジェクトの検討も始まる。

[石田雅也,スマートジャパン]

 日本は地熱の資源量が世界で第3位の規模にありながら、再生可能エネルギーとして利用している割合は他の地熱資源国よりも低い。政府は2013年度から「地熱開発理解促進関連事業支援補助金」を開始して、全国各地で地熱資源の開発プロジェクトを促進中だ。2016年度は総額22億円の予算を投入して補助金を交付する計画で、まず1次公募で26件の対象事業を採択した(図1)。1件あたり最高で1億8000万円まで補助する。

図1 「地熱開発理解促進関連事業支援補助金」の対象に選ばれた26地域(2016年度の1次公募)。出典:資源エネルギー庁

 北海道が最も多くて12件にのぼり、東北からも9件が選ばれた。他の地域では長野県から2件、和歌山・熊本・大分の各県で1件ずつ補助金を交付する。対象になる事業は地熱を活用したハウス栽培などの「ハード支援」のほか、地域住民の理解を促進するための「ソフト支援」、さらに地熱開発によって温泉に影響が生じた場合の代替策を支援する「温泉影響調査」の3種類がある(図2)。

図2 補助金の対象事業。出典:資源エネルギー庁

 北海道の12件のうち10件は自治体が参画する事業で、地域住民の理解を得るための勉強会や視察の費用に補助金を利用するケースが多い(図3)。そうした中で大雪山の一帯に温泉が広がる上川町(かみかわちょう)では、地熱発電に向けた掘削調査を実施する検討作業に補助金を生かす。合わせて発電後の熱水の利用方法も検討する。

図3 北海道で選ばれた12件の事業。出典:資源エネルギー庁

 南部の洞爺湖に面した壮瞥町(そうべつちょう)では既存の温泉源を活用した発電や熱利用を促進するために、補助金を使って湯量調査を実施する予定だ。壮瞥町では1980年代から地熱の温水を利用したハウス栽培に取り組んでいて、特にトマトの栽培で成果を上げている(図4)。

図4 地熱を利用したビニールハウス(左)で生産する「オロフレトマト」(右)。出典:壮瞥町
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