40年以上稼働した地熱発電所が小休止、7年後に出力1.5倍で再稼働自然エネルギー(1/2 ページ)

電源開発が宮城県大崎市で運営する「鬼首地熱発電所」は日本で4番目に稼働した地熱発電所である。40年以上の稼働歴を持つ発電所だが、このほど設備の老朽化を受け設備更新の計画が固まった。2018年度に既存設備を廃止し、新たに出力を高めた発電設備を導入して2023年度に再稼働する予定だ。

» 2016年06月09日 07時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]
図1 「鬼首地熱発電所」の位置(クリックで拡大)出典:地熱発電所

 電源開発(J-Power)は2016年6月6日、宮城県大崎市で同社が運営する「鬼首(おにこうべ)地熱発電所」の設備更新計画を発表した(図1)。設備の老朽化などを受け既設発電設備を廃止し、設備更新を行って2023年の運転再開を目指す計画だ。同日付けで設備更新計画書と環境配慮書を政府・自治体に提出している。

 鬼首地熱発電所は地熱資源に恵まれ温泉の町としても知られる宮城県大崎市の鳴子町(なるこちょう)に位置しており、1975年3月から運転を開始している。岩手県八幡平市の「松川地熱発電所」(1966年稼働)、大分県久重町の「大岳発電所」(同1967年)、秋田県鹿角市の「大沼地熱発電所」(同1974年)に続き、日本で4番目に稼働した地熱発電所だ(図2)。

図2 現在の「鬼首地熱発電所」 出典:資源エネルギー庁

 運転開始からすでに40年以上が経過した鬼首地熱発電所は、今後も長期にわたって再生可能エネルギーの供給源として、継続的に活用するためには経年化対策が必要な状況となっている。さらに2010年には発電所内で発生した噴気災害により、設備損壊などの被害が発生した。この噴気災害は噴気口の閉塞工事を経て収束にいたったものの、現在もその影響で発電設備の出力が大きく低下している状況にある。

 今回発表した設備更新計画はこうした状況を受けたもので、現在稼働している発電設備は2017年度中に廃止する予定だ。5年計画で新しい発電設備の建設を進め、2023年度中の稼働を目指す(図3)。

図3 設備更新のスケジュール 出典:電源開発
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