地熱発電トップシェアの東芝、規制の壁厚い日本よりインドネシアに期待自然エネルギー(1/2 ページ)

地熱資源量世界3位の日本だが、その豊富な資源量に対する活用率は、非常に低い。地熱発電システムの発電量で世界シェアトップの東芝では、日本市場は規制の壁が厚いため、インドネシアなど海外市場での成長を狙うと述べている。

» 2016年06月14日 11時00分 公開
[三島一孝スマートジャパン]

 東芝は2016年6月9〜10日に神奈川県川崎市で毎年恒例の「第25回東芝グループ環境展」を開催。その中で、世界シェアトップである地熱発電事業について紹介した。

 東芝では1966年に国内初となる地熱発電所に、20メガワット(MW)の地熱用タービン・発電機を納入。その後も国内で多くの地熱発電プラントを建設している他、メキシコやフィリピン、米国などへの輸出を進めている。現在までに全世界で59ユニット、3.6ギガワット(GW)の地熱発電プラントを展開しており、発電能力では世界トップシェアを保持しているという(図1)。

photo 図1 東芝の地熱発電設備納入実績(クリックで拡大)出典:東芝

 東芝の地熱発電設備の強みについて担当者は「高信頼性」を挙げる。「地熱発電設備は基本的には火力発電と同じ仕組みである。違いとなるのが、自然の温水を利用する点(フラッシュ方式)だ。そのため硫化系の材料や、細かい石粒などにより、タービンなどが劣化するというようなことが起こる。東芝の地熱発電設備は、こうしたさまざまな問題に対し、強い材料やコーティング技術などの開発を積み重ね、高信頼性を実現できるようになっていることが強みだ」(担当者)としている。

 東芝が行っているのはフラッシュ方式のみで、バイナリー方式については米国のオーマット・テクノロジーズ社と提携し、協力した事業運営を進めている。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.