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» 2016年06月20日 12時30分 UPDATE

電力供給サービス:東京電力の料金通知の遅れ、解消の見通し立たず9月以降も続く (1/3)

小売全面自由化に支障を及ぼしている東京電力のシステム不具合の問題は、いつまでに解消できるか見通しが立っていない。不具合を解消できずに、小売電気事業者や発電事業者に対するデータ提供の未通知が拡大している。9月以降も続く見込みで、政府は6月17日に業務改善勧告を出した。

[石田雅也,スマートジャパン]

既報(5月23日):「東京電力のシステムに不具合、またも小売自由化に支障をきたす」

続報(6月27日):「電気料金の誤請求が1646件にも、東京電力のシステム不具合で」

 政府の電力・ガス取引監視等委員会は6月17日付で、東京電力の送配電事業会社である東京電力パワーグリッドに対して、小売全面自由化後で初めての業務改善勧告を通達した。小売電気事業者や発電事業者が需要家の契約を東京電力から切り替えるために必要な「託送業務システム」に不具合が発生している問題が拡大しているためだ(図1)。7月1日までに改善計画を提出するように求めた。

図1 託送業務システムで発生している4カ所の不具合(画像をクリックすると拡大)。DB:データベース、MDMS:メーターデータマネジメントシステム。出典:東京電力パワーグリッド

 東京電力の託送業務システムでは4種類の不具合が発生している。その中でも料金計算で重要な役割を果たす検針データの連携処理の不具合の影響が大きい。需要家の契約変更に伴って電力の使用量や発電量を30分単位で測定するスマートメーターに切り替える必要があるが、計器を切り替えた情報が連携処理に反映されず、旧式のメーターのまま料金計算を実施してしまう状況だ(図2)。

図2 検針データの連携処理における不具合(画像をクリックすると計器取得情報の連携についても表示)。DB:データベース。出典:東京電力パワーグリッド

 旧式のメーターでは検針員が現地で読み取ったデータをもとに料金を計算しているため、検針期間は前月の読み取り時から当月の読み取り時が対象になる。これに対して自動でデータを読み取れるスマートメーターの場合には、毎月の検針期間が固定されている。旧式のメーターとスマートメーターでは検針期間が異なるが、東京電力の託送業務システムでは需要家ごとのメーターの設置情報が正しく反映できていない。

 こうした一連の不具合を解消できていないために、東京電力から小売電気事業者や発電事業者に通知する需要家ごとの電力使用量や発電量のデータが一定の期日までに通知できなくなっている。

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