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» 2016年06月22日 07時00分 UPDATE

自然エネルギー:東北最大の地熱資源を生かせるか、福島県の温泉跡地で掘削調査へ (1/2)

山形・福島・新潟の東北3県にまたがる磐梯地域は、東北最大級の地熱資源があると推定されている。現在、福島地熱プロジェクトチームが「磐梯朝日国立公園」で資源量の調査を進めている。2016年度からは、これまでの調査結果を踏まえ、有望な開発地域として特定した磐梯山東部のエリアで実際に掘削調査を実施する計画だ。

[陰山遼将,スマートジャパン]

 東北3県にまたがる「磐梯朝日国立公園」内で、地熱発電所の建設に向けて進められてきた地熱資源調査プロジェクトが前進した。調査を手掛ける福島地熱プロジェクトチームは2016年6月17日、福島県耶麻郡にある磐梯山東部の土湯沢温泉跡地を有望な開発エリアと認定し、同年9月頃から地熱資源調査を目的とした掘削工事に着手すると発表した。

 福島地熱プロジェクトチームは出光興産、国際石油開発帝石、住友商事、石油資源開発、地熱技術開発、日本重化学工業、三井石油開発、三菱ガス化学、三菱商事、三菱商事パワー、三菱マテリアルなどのエネルギー関連企業11社で構成する調査チーム。JOGMECから助成を受け、磐梯朝日国立公園内にある磐梯山周辺で、2013年度から地熱資源調査を実施してきた。

 今回実施を発表した掘削調査は、2013年度に実施した1次調査、2015年度に完了した2次調査に続く3次調査となる。これまでの1〜2次調査では、磐梯山の周辺地域を「磐梯東部」「磐梯西部」「表磐梯」「裏磐梯」の4つのエリアに分け、地表から地熱資源量の推定を進めてきた(図1)。地熱発電事業において重要なポイントとなるのは、「熱源(マグマだまり)」「水」「貯留層・断裂」の3つの資源要素がそろっているかどうかである。

図1 調査エリアの区分。赤線で囲まれた磐梯東部で掘削調査を実施する 出典:福島県

 こうした調査の結果、地熱発電に必要な資源がそろっていると推定されることに加え、環境条件が整っていることから東磐梯エリアを有望な開発地域とし、掘削を行う3次調査の実施場所に採択した。

 東磐梯エリアは地表から行った複数の調査で、貯留層・断裂の存在の他、温泉の自然湧出による水の存在も示唆されている。貯留層温度も190〜210度と推定されており、これは調査対象の4つのエリアの中でも最も高い推定値だ。

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