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» 2016年07月04日 14時00分 UPDATE

電力供給サービス:いつまで続く東京電力のシステム不具合、根本的な解決策が見えず (1/3)

東京電力パワーグリッドが引き起こした電力使用量データの通知遅延の問題は全面解決のめどが立たないまま、人海戦術で対応する状況が続いている。7月1日に電力・ガス取引監視等委員会に提出した報告を見ても、問題になっている託送業務システムの不具合を解消できる時期は示されていない。

[石田雅也,スマートジャパン]

既報(6月27日):「電気料金の誤請求が1646件にも、東京電力のシステム不具合で」

続報(7月27日):「システム不具合の原因を特定できず、問題解決は10月以降に」

 電力・ガス取引監視等委員会が東京電力パワーグリッド(東京電力PG)に対して異例の業務改善勧告を出したのは2週間前の6月17日のことである。東京電力PGから小売電気事業者や発電事業者に対して通知する電力使用量のデータが大幅に遅延して、電気料金を請求できない事態が続いているためだ。東京電力PGは7月1日までに改善計画を委員会に提出するよう求められていた。

 その報告内容には遅延の最新状況のほか、大量の人員を投入した改善策がまとめられているものの、根本的な解決策は示されていない。電力使用量の通知遅延を引き起こす原因になったのは、東京電力PGが契約変更などの業務を処理するために開発した「託送業務システム」の不具合にある(図1)。

図1 託送業務システムで発生している4カ所の不具合(画像をクリックすると拡大)。DB:データベース、MDMS:メーターデータマネジメントシステム。出典:東京電力パワーグリッド

 4月1日から正式に運用を開始したシステムだが、需要家ごとの電力使用量を計測するメーターの情報を正しく収集できない問題をはじめ、合わせて4種類に及ぶ誤った処理が見つかった。東京電力PGは託送業務システムに不具合が発生していることを5月中旬に初めて公表したが、7月1日の改善計画でも不具合の解消時期を提示できていない。

 根本的な解決策を講じることができない状況が続いた結果、電力使用量の通知遅延による市場の混乱は拡大する一方である。東京電力PGが各事業者に通知する必要のある電力使用量は2種類ある。1つは需要家が消費した需要データをメーターから収集して小売電気事業者に通知するもので、検針日から4営業日以内に通知することが国の指針で求められている。

 この需要データの通知が遅延している件数は6月16日の時点で合計2万1185件にのぼっていたが、2週間後の6月30日には2万710件へわずかながら減少した(図2)。遅延を解消するために大量の人員を投入して、データの再収集やシステムへの再入力を実施した結果である。それでも2万件を超える電力使用量の通知が現在も遅れている状態だ。

図2 需要データの未通知件数。出典:東京電力パワーグリッド

 もう1つの遅延は需要家の発電設備を対象にした発電データでも起こっている。6月16日の時点で1万3161件だった遅延件数が6月30日には1万5979件まで増加した(図3)。しかも遅延が発生しているのは、東京電力以外の小売電気事業者と契約しているケースが大半を占めている。

図3 発電データの未通知件数。出典:東京電力パワーグリッド
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