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» 2016年07月28日 07時00分 UPDATE

自然エネルギー:ため池の太陽光発電で新方式、パネル1枚にパワコン1台で効率アップ (1/2)

福岡市の農業用ため池の水上に1200枚の太陽光パネルを浮かべて発電を開始した。パネル1枚ごとに小型のパワーコンディショナーを接続した分散構成が特徴だ。パネル単位で電力を直流から交流に変換して全体の発電量を最大化する。各パネルの発電量を遠隔から監視することもできる。

[石田雅也,スマートジャパン]

 福岡市の西部にある「蓮花寺池(れんげじいけ)」で7月20日に太陽光発電が始まった。池の水面のうち3400平方メートルを利用して、合計1200枚の太陽光パネルをフロートの上に搭載した(図1)。全体の発電能力は300kW(キロワット)で、年間の発電量は30万kWh(キロワット時)を見込んでいる。一般家庭の使用量(年間3600kWh)に換算して83世帯分に相当する。

図1 「蓮花寺池」に設置した太陽光発電設備(画像をクリックすると拡大)。出典:福岡市農林水産局

 ため池の太陽光発電では初めてマイクロインバーターを採用した。1台あたりの出力が太陽光パネルと同じ250ワットの小型のパワコン(パワーコンディショナー)である。1枚の太陽光パネルに1台ずつマイクロインバーターを接続して、発電した電力を水上で直流から交流に変換できる。

 マイクロインバーターを使うメリットはいくつかある。第1に太陽光パネルごとに発電した電力を変換できるため、他のパネルの影響を受けることがない。通常は複数の太陽光パネルを組み合わせて1台のパワコンで電力を変換することから、パネルのうち1枚の発電量が何らかの理由で少なくなった場合に全体の発電量が影響を受けてしまう(図2)。マイクロインバーターを使うことで発電量の影響を最小限に抑えることができる。

図2 マイクロインバーターによる分散構成。出典:福岡市農林水産局

 第2のメリットは感電のリスクを低減できることだ。通常のパワコンでは複数の太陽光パネルを600〜1000V(ボルト)の直流ケーブルで接続する。電圧の高い直流ケーブルが池の水面に触れると、保守の時などに人が感電するリスクがある。

 一方マイクロインバーターを使うと、電圧の低い200Vの交流ケーブルで接続できる。さらにケーブルに異常が発生した場合には太陽光パネルの発電を停止して電流が流れない仕組みになっているため感電のリスクは低い。

 マイクロインバーターには1台ごとに監視制御装置が付いていて、パネル1枚単位の発電量を遠隔から監視することが可能だ(図3)。パネルの故障や異常が発生した時にも、該当するパネルを迅速に特定して対応できる。

図3 発電量の遠隔監視画面。出典:福岡市農林水産局
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