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» 2016年08月03日 11時00分 UPDATE

太陽光:ついにテスラが太陽光発電メーカーへ、創エネから蓄エネまで一貫提供 (1/2)

EVベンチャーであるテスラモーターズは、2016年6月から買収提案を進めていた米国の太陽光発電ベンチャーであるソーラーシティを買収することで合意。従来展開してきた蓄エネだけでなく、ソーラーを自社で扱うことで創エネメーカーとしての顔も持つようになる。

[三島一孝,スマートジャパン]

 EVベンチャーである米国Tesla Motors(テスラモーターズ、以下テスラ)は、新たに太陽光発電ベンチャーの米国SolarCity(ソーラーシティ)を買収することで合意したと2016年8月1日に発表した。テスラでは、2016年6月にソーラーシティの買収提案を行っていた(関連記事)。

 2003年に創業したテスラは電気自動車(EV)の生産と販売を行うベンチャーだ。ここまでEVとして、スポーツカー「Roadster(ロードスター)」やプレミアムセダン「Model S(モデルS)」、中級セダンの「Model 3(モデル3)などを展開し、成功を収めてきた(関連記事)(図1)。

photo 図1 車両価格の引き下げを目標に開発した「モデル3」 出典:テスラ

 EVには蓄電池が必須となり、テスラではパナソニックと独占的に提携することで電池の供給を受けている。EVの低価格化には電池の低価格化が欠かせずそのためには大量生産が必要になる。そのためテスラはパナソニックらと共同で米国ネバダ州に建設中のリチウムイオン電池工場「Gigafactory(ギガファクトリー)」を建設中である。ギガファクトリーは、2013年における世界全体のリチウムイオン電池セルの生産規模を上回る年間35GWh(ギガワット時)という膨大な生産規模の実現を予定しており、量産効果でリチウムイオン電池の価格低減を実現する狙いだ(関連記事)(図2)。

photo 図2 ギガファクトリーの外観イメージ 出典:テスラ

定置型蓄電池市場に参入

 一方で、製造した蓄電池の使用先を考えた場合、全てをテスラのEVに使用するということは難しい。中級クラスの「モデル3」は予約受注が非常に好調であるとはいえ、EVだけでギガファクトリーで製造する電池全てを使うほどの規模があるわけではないからだ。そこで新たに2015年5月に参入を発表したのが、定置型蓄電池市場である(関連記事)。

 EVを「移動型蓄電池」と考えれば、定置型蓄電池とのシナジーを生み出すことができる。テスラはEVから、2015年5月から家庭向け蓄電池の「Powerwall」と業務用蓄電池「Powerpack」を展開。徐々に世界各国で取り組みを拡大してきている(図3)。

photo 図3 日本での投入もうわさされている家庭用蓄電池「Powerwall」。2016年3月に開催された「スマートエネルギーWeek 2016」でモックアップが展示された

 テスラ CEOのイーロン・マスク(Elon Musk)氏は「テスラは自動車メーカーではなく、エネルギー革新企業である」と述べているが、実はこれらの取り組みは既に10年前に発表されたマスタープラン(基本計画)に記載されていたことであるという。

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