再生可能エネルギーの買取電力量が過去最大に、4月に前年比44%増える自然エネルギー(1/2 ページ)

固定価格買取制度の対象になる発電設備から買い取った電力量が2016年4月に過去最高を記録した。前年同月と比べて44%の増加で、1600万世帯分の使用量に相当する。新たに運転を開始した発電設備も109万kWにのぼり、1カ月間で原子力発電所1基分に匹敵する規模の発電設備が誕生した。

» 2016年08月10日 13時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]

 資源エネルギー庁がまとめた固定価格買取制度の導入・買取・認定状況によると、2016年4月の1カ月間に買取の対象になった電力量は48億7837万kWh(キロワット時)に達した(図1)。一般家庭の使用量(月間300kWh)に換算すると1626万世帯分に相当する規模だ。これまでで最高だった3月の42億kWhを上回り、前年4月の34億kWhと比べて1年間で44%も伸びた。

図1 固定価格買取制度による再生可能エネルギーの導入・買取・認定状況(2016年4月時点。画像をクリックすると拡大)。各欄の下段の数字は前月比。バイオマスは燃料の比率を反映。出典:資源エネルギー庁

 買い取った電力量のうち76%は太陽光で、次いで風力とバイオマスが10%ずつ、中小水力が4%だった。特に非住宅用(発電能力10kW以上)の太陽光の買取量が前年から1.6倍に拡大した(図2)。このほかに地熱が買取量は少ないものの、前年から3倍以上に増えている。

図2 月間の買取電力量の推移(画像をクリックすると拡大)。単位:万キロワット時。資源エネルギー庁の公表データをもとに作成

 月間の買取金額も過去最大の1766億円にのぼった。太陽光の買取価格が他の再生可能エネルギーよりも高めに設定されているため、買取金額全体の85%を太陽光が占めた。固定価格買取制度を開始した当初の価格設定の影響が表れている。

 新たに運転を開始した再生可能エネルギーの発電設備の規模は全体で109万kWになり、大規模な火力発電所や原子力発電所の1基分に匹敵する。ただし105万kWが太陽光で、供給力としては限定的だ。一方で認定を受けた発電設備の規模は前月から47万kWの減少に転じた。非住宅用の太陽光で認定の取り消し処分を受けた案件が数多く発生したことによる。

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