4つの事業を柱に太陽光発電総合企業として成長するエクソル。市場環境が変転する中、今後どのようなビジネス展開を考えているのか。エクソル新社長に就任した鈴木伸一氏に目指す方向性などについて聞いた。
太陽光発電関連の市場環境は変化の時を迎えている。太陽光発電関連市場の右肩上がりの成長の停滞が懸念される他、2017年4月からの固定買取制の改正(改正FIT法)に対する動きを控えて、市場を構成する企業は戦略転換を余儀なくされている。
こうした中で、エクソル(XSOL)は、サプライヤー、EPC(設計・調達・建設)、O&M(運用・メンテナンス)、システムメーカーの4つの事業を柱に、太陽光発電に関する総合企業として独自のポジションを築き、現在まで順調に業績を拡大している。今後変化の速度が増す太陽光発電市場において、エクソルはどのような戦略で取り組みを進めていくのか。エクソル社長にこのほど就任した鈴木伸一氏に企業が目指す方向性などについて聞いた。
スマートジャパン 国内の太陽電池モジュールの総出荷量が2015年度は初めて前年と比べて減少しました(関連記事)。太陽光市場も新たな段階に入ったと思われます。今後、国内需要はどう変化していくのでしょうか。
鈴木氏 国内の2016年度の導入量ベース(実需)は、2015年度(10GW)と同程度と見ている。新規認定は減る。一方で、メガソーラー以上の大規模案件で認定は受けたものの運転開始に至っていない案件がかなり多く存在する。2016年度、2017年度あたりの導入量はその貯金が残っているので、それほど変わらないだろう。ただ、その後は設備認定量との関係で徐々に減少して行くと予測している。
スマートジャパン 今後の事業計画について教えてください。
鈴木氏 当社はサプライヤー、EPC、O&M、システムメーカーの4つの事業を柱として太陽光発電のあらゆる課題に対応できるようビジネスを展開している。2016年度は太陽光市場の構造転換の時期だと認識しており、これらの4本柱をより強化して太陽光発電の総合企業としての特徴をより濃くしていきたい。
対象顧客もこれまでは、住宅用から中規模クラスを中心に展開してきたが、2016年度は、運転開始前の大型案件への対応も強化している。特にEPC事業では大規模案件を引き受けるとともに、発電所の売買についても、売り先を一緒に提案するなど、総合的な取り組みを増やしていく方針だ。メンテナンス事業も、補強、増設工事など総合的な相談を引き受けるなど多角的に展開する。さらにシステムメーカーとして太陽電池モジュールをはじめ架台や独自の工法、部材などシステムトータルとしての品質まで幅広い提案を進める。
主力の住宅用については、ZEHの需要拡大を見据えて、引き続き積極的に取り組んでいきたい。システムの単価ダウンが進む中で採算性を考えると住宅用にはより力を注ぐ。
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