エネルギー関連の概算要求は9140億円、省エネの加速や再エネ・水素の普及に法制度・規制(1/3 ページ)

経済産業省は2017年度のエネルギー関連予算の概算要求をまとめた。総額は9140億円で、2016年度の予算と比べて9%増やした。工場や住宅などの省エネ投資を促進する補助金に1140億円を割り当てたほか、再生可能エネルギーや水素・燃料電池の普及事業に1336億円を投入する方針だ。

» 2016年09月02日 11時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]

 2017年度のエネルギー関連の概算要求は5つのテーマに分かれている。その中で最大の予算を配分するテーマは「エネルギー革新戦略の実行」で、全体の3分の1を超える3396億円を要求した。エネルギー革新戦略は経済産業省が2030年度のエネルギーミックス(電源構成)を実現するために、省エネルギーと再生可能エネルギーの推進を軸に長期的な政策をとりまとめたものだ。

 概算要求では省エネルギーの分野に2060億円を割り当てた(図1)。工場や住宅などの省エネ投資を促進するための補助金に1140億円の予算を見込むほか、燃料電池自動車や電気自動車の補助金に140億円を予定している。さらに省エネを加速するための技術開発に合計610億円の予算を投入して、超高輝度のLED照明や革新型の蓄電池の開発を促進していく。

図1 省エネルギー関連の要求内容。数値の単位は億円(2017年度←2016年度)。補:2016年度補正予算。出典:経済産業省

 これまで製造業に適用してきた省エネのトップランナー制度を流通業やサービス業にも拡大するため、省エネ設備の導入を支援する補助金を2017年度も継続する予定だ。合わせてビルや住宅のエネルギー消費量を実質的にゼロに抑えるZEB/ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル/ハウス)の補助金も拡大する(図2)。このうちZEHの補助金は2016年度の補正予算で100億円を追加した。

図2 省エネルギー投資促進に向けた補助金の対象。出典:経済産業省
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