縮小続く太陽電池の国内出荷、日本企業の減少が顕著に太陽光(1/2 ページ)

JPEAは2016年度第1四半期の国内太陽電池出荷量を発表した。モジュールの総出荷量は前年同期比で21%減少し、136万6432kWとなった。内訳を見ると海外出荷は伸びている一方、国内向けのモジュール出荷量は同26%減と118万4968kWまで減少している。国内メーカーの出荷量も過去数年と比較して10%程度減少している状況だ。

» 2016年09月06日 06時55分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 太陽光発電協会(JPEA)は2016年9月1日、日本における2016年度第1四半期(4〜6月期)の太陽電池出荷量を発表した。国内出荷と海外出荷を合計したモジュールの総出荷量は、前年同期比21%減の136万6432kW(キロワットで)に減少(図1)。セルの総出荷量も同37%減の45万8636kWとなった(図2)。

図1 2016年度第1四半期のモジュール出荷量(単位は以下全てkW、クリックで拡大)出典:太陽光発電協会
図2 2016年度第1四半期のセル出荷量(クリックで拡大) 出典:太陽光発電協会

 2014年度をピークに、太陽電池モジュールの国内出荷量は減少が続いている。各年度の第1四半期のモジュール総出荷量を比較してみると、2014年度が200.8万kW、2015年度が173.7万kW、2016年度136.6万kWと、年率20%以上で減少している。なお、2012年度以来、第1四半期の出荷量が最も小さく、第4四半期が最も大きくなるという傾向は変わっていない。

縮小する国内市場

 モジュールの総出荷量のうち、海外出荷量は前年同期比45%増の18万1464kWと1.5倍近く増えている。このうち日本国内で生産されたモジュール量は、同52%増の8万5337kWと増加している。その輸出先としては、北米が同79%増の2万6988kW、欧州が同137%増の4万7290kWと大幅に伸びた。

 一方、国内のモジュール出荷量は前年同期比26%減の118万4968kWと落ち込んだ。その内訳を見ると、住宅向けは同35%減の26万7129kW、産業向けは同24%減の91万7722kWとなった。規模の大きい産業向けの減少が全体に大きく影響している(図3)。

図3 2016年度第1四半期の用途別国内出荷量 出典:JPEA

 なお、産業向けのうちオフィスや工場、公共施設など(500kW未満の地上設置を含む)向けの一般事業用途は同46%減の30万3186kWと大幅に減少した。一方、売電を目的とした出力500kW以上の発電事業用途は61万4536kWで、前年同期比3%減にとどまっている。

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