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» 2016年09月07日 11時00分 UPDATE

IT活用:バイオマス発電所のトラブルを未然に防ぐ、設備保全管理システムが3カ所で稼働

大分県と福島県で運転中のバイオマス発電所では発電設備の保全業務をネットワーク型のITシステムで管理している。設備台帳や点検結果などの情報をもとに、トラブルを未然に防ぐための保全計画を策定できる点が特徴だ。遠く離れた3カ所のバイオマス発電所を同じシステムで管理する。

[石田雅也,スマートジャパン]

 大分県の森林が広がる内陸部の豊後大野市で大規模なバイオマス発電所が8月に運転を開始した。省エネサービスと木質バイオマス発電を手がけるファーストエスコのグループ会社が建設・運営する「豊後大野発電所」で、発電能力は18MW(メガワット)に達する(図1)。年間の発電量は1億2000万kWh(キロワット時)にのぼり、一般家庭(年間3600kWh)の3万3000世帯分に匹敵する電力を供給できる。

図1 「豊後大野発電所」の全景(上)、設備構成(下)。出典:ファーストエスコ

 バイオマス発電所は1日24時間の連続運転で年間に330日以上も稼働する。発電所の設備全体をネットワーク型のIT(情報技術)システムで管理してトラブルを未然に防ぐ体制を構築した。導入したシステムは横河ソリューションサービスが提供する「eServ(イーサーブ)」で、ファーストエスコグループが運営する3カ所の木質バイオマス発電所すべてを同じシステムで管理している。

図2 設備保全管理システム「eServ」の構成(画像をクリックすると拡大)。出典:横河ソリューションサービス

 eServは顧客管理システムなどの用途で全世界で使われているセールスフォース・ドットコムのクラウドサービスをベースに設備保全の機能を搭載した。機器台帳や保全計画・履歴のほか、点検結果や予備品の在庫情報まで管理して、発電設備の安定稼働に必要な情報分析と計画立案をサポートする(図3)。

図3 「eServ」の機能(上)、画面イメージ(下)。出典:横河ソリューションサービス

 ファーストエスコグループは福島県の白河市で運転中の「大信発電所」(発電能力11.5MW)、大分県の日田市で運転中の「日田発電所」(同12MW)にeServを導入して設備保全を実施してきた(図4)。大規模な木質バイオマス発電所の安定稼働に有効と判断して、新たに運転を開始した豊後大野発電所でも採用した。

図4 「大信発電所」(左)と「日田発電所」(右)の全景。出典:ファーストエスコ

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