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» 2016年10月04日 13時00分 UPDATE

省エネ機器:下水汚泥の焼却を廃熱発電で全面カバー、エネルギー自立型焼却炉

三菱重工環境・化学エンジニアリングはエネルギー自立型汚泥焼却炉を開発し、初号設備を技術認定先の東京都下水道局から受注したと発表した。バイナリー発電装置を活用することで、焼却設備の消費電力を廃熱発電で全面的にカバーでき、省エネに貢献する。

[長町基,スマートジャパン]

 三菱重工グループの三菱重工環境・化学エンジニアリング(MHIEC、横浜市西区)は、従来型の下水汚泥焼却炉にバイナリー発電装置(沸点の低い媒体を加熱・蒸発させて、そのガスでタービンを回す発電方式)を組み合わせることで焼却設備消費電力を廃熱発電で全面カバーできるエネルギー自立型汚泥焼却炉を開発した。省エネルギー・地球温暖化抑制への貢献が期待されており、初号設備を技術認定先の東京都下水道局からこのほど受注。同焼却炉を中心とした処理能力250トン/日の設備を都内板橋区の新河岸水再生センターに導入し、2020年3月に完成させる計画だ。

 エネルギー自立型汚泥焼却炉は、東京都下水道局が2014年6月に策定した下水道事業におけるエネルギー基本計画「スマートプラン2014」で、再生可能エネルギー活用の拡大をはかるために下水道プラントメーカーが参画した共同研究の成果。汚泥焼却炉から発生する温暖化係数がCO2の約300倍に達するN2O(一酸化二窒素)の大幅な削減に加え、汚泥焼却に必要な電力・燃料由来のCO2排出を防止できる画期的な技術と位置づけられているという。

 MHIECの技術は、流動燃焼最適化システム(M-COM)を備えた流動床式の焼却炉と高効率バイナリー発電装置を組み合わせているのが特徴で、省エネ・低CO2排出とN2O削減を両立する。M-COMは、汚泥焼却炉の燃焼状態を複数の計装項目を検出して最適に制御するMHIEC独自の燃焼制御技術だ。一方、バイナリー発電装置に供給する廃熱回収熱源には安定した実績を持つ熱媒油を採用し、蒸気ボイラー・タービン発電方式に比べ大幅に高い発電効率を実現しており、水再生センター内消費電力の抑制を可能にした。

 今回受注した「新河岸水再生センター汚泥焼却設備再構築その2工事」は、経年劣化した既存汚泥焼却設備の代替として建設するもの。焼却炉と発電装置のほかに、脱水汚泥供給、熱交換、灰処理、白煙防止、排ガス処理などの関連装置の設置も行う。

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