三菱自動車が全国展開を進める次世代店舗の第1号店が東京都世田谷区にオープンした。店舗に太陽光発電システムを導入しており、その電力を車両への充電や店舗への供給を可能にするなど、電気自動車の価値訴求に重点を置いているのが特徴だ。
三菱自動車が全国に順次展開する次世代店舗「電動 DRIVE STATION」の第1号店がこのほどオープンした。関東三菱自動車販売の世田谷店(東京都世田谷区)をリニューアルしたもので、新店舗には新車販売やアフターサービスといった通常の店舗機能の他、EVやPHEVの価値を体感できるようにしたのが特徴だ(図1)。
特徴の1つが新店舗には太陽光発電システムと、電動車のバッテリー電力を家庭に供給できるV2H機器を設置している点だ。太陽光で発電した電力を電動車への充電に使用する他、車両から店舗への電力供給も可能にした。停電時でも最大6000W(ワット)の電力を店舗内で使用することが可能だ。さらに、日本のエネルギー問題に対して電動車が果たす役割と、災害時に電動車の外部給電機能がもたらす価値について、デジタルサイネージシステムやタブレット端末などで紹介している。
一般家庭のダイニングルームを模した「ライフスタイルコーナー」では、停電発生時のV2H機器による電力供給を実演する「停電デモンストレーション」や、電動車の100VのAC電源(1500W)で家庭の電化製品を同時に複数使用できることを実演するデモンストレーションも行う。停電デモンストレーションはライフスタイルコーナーへの系統電源(電力会社の電気)の供給を止め、停電発生時と同じ状況を作り出す。そのときV2H機器が、電動車両と太陽光発電システムからどのように電力を供給するのか、エネルギーモニターで電力の動きを見ながら、実際に電力供給される様子を体験できる。
店舗エントランス脇には3種類の充電設備を取り揃えた「充電コーナー」を用意した。これに加えても店舗内には2種類のEV充電コンセントを用意しており、合計5種類の充電設備を試すことができる。
その他、エネルギー・環境をテーマにした小中学生向けワークショップや防災イベントの開催、防災への取り組みをはじめとする地域情報を自治体と連携して発信するなどの活動を通じ、地域社会への貢献を目指す。三菱自動車は今後も国内市場を重視し、電動 DRIVE STATIONの全国展開を進める方針だ。
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