落差1メートルの水路でも発電可能、設置も簡単な小水力発電機蓄電・発電機器(1/2 ページ)

協和コンサルタンツは新開発の用水路向けの小水力発電機の販売を開始した。同社独自開発の相反転方式を採用した発電機で、1メートルと小さな落差でも発電できるのが大きな特徴だ。

» 2016年10月20日 09時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 協和コンサルタンツは2016年10月から、新開発の小水力発電機の販売を開始した。用水路向けの小型の発電機で、1メートルと小さな落差でも発電できるのが大きな特徴だ。価格はオープンとしている(図1)。

図1 開発した小水力発電機 出典:協和コンサルタンツ

 開発した小水力発電機は、相反転方式という構造を採用しているのが特徴だ。発電機では、中に入っている磁石を回転させて発電するが、この相反転方式は磁石の外側にあるコイルを磁石と逆方向に回転させる。これにより回転速度が倍増することで高起電圧化をはかり、小さな落差でも発電しやすくした(図2)。

 相反転方式の小水力発電機は、回転トルクが小さくなるという特徴もある。そのため設置する際の強固な据え付けが不要で、水路に直接設置することができる。発電機小屋などを設置する必要もなく、設置スペースを省略できると同時に土木工事のコストを抑えられるというメリットもある。

図2 相反転方式の概要 出典:協和コンサルタンツ

 相反転方式の小水力発電機の重量は1台当たり200キログラムで、大きさは1930×930×500ミリメートル。発電に必要な流量の目安は1秒当たり0.15〜0.20立方メートルで、有効落差は0.7〜0.9メートル。発電機の出力目安は450〜600W(ワット)だ。1台で家庭1世帯分の発電量を見込めるとしている。

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