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» 2016年11月01日 11時00分 UPDATE

電力供給サービス:電力会社の売上高が9000億円以上も減少、上半期は西高東低の決算に (1/2)

電力会社の上半期の売上高は10社の合計で前年から9000億円以上も減少した。西日本の4地域では夏の気温が上昇して販売量が前年を上回ったものの、東日本では販売量の減少が続いて売上高は大幅に縮小した。東京電力と中部電力は2ケタの減収率だ。10社のうち7社は営業利益も前年度を下回った。

[石田雅也,スマートジャパン]

 電力会社の決算は第1四半期に続いて、第2四半期を加えた上半期(4〜9月)でも厳しい結果に終わった。10社の売上高を合計すると8兆9511億円にとどまり、前年から9058億円も減少した。西日本を中心に5つの地域では夏の気温が上昇して販売電力量が前年を上回る一方、東日本の3地域と中部・関西では販売電力量が減り続けている(図1)。

図1  電力会社10社の2016年4〜9月期の売上高・営業利益(連結決算)と販売電力量

 売上高が最も大きく落ち込んだのは東京電力で前年から15.5%も減った。次いで中部電力が11.8%減、東北電力が8.4%減、関西電力が7.6%減になり、上位4社が軒並み大幅な減収に陥っている。10社の中で四国電力だけは売上高を伸ばした。販売電力量が前年から4.9%も増えた効果が大きい。

 東京電力の売上高が減少した最大の要因は、電気料金に上乗せする燃料費調整額が前年と比べて4730億円も減ったことにある(図2)。火力発電に使うLNG(液化天然ガス)などの輸入価格の低下によるものだ。加えて販売電力量の縮小に伴う売上高の減少が750億円にのぼった。

図2 東京電力の売上高の内訳(連結決算)。出典:東京電力ホールディングス

 この結果、営業利益・経常利益ともに前年の上半期から900億円以上の減少になった(図3)。燃料費が為替(円高)の効果を含めて2900億円も減ったが、燃料費調整額の減少分(4730億円)には遠く及ばない。そのほかのコスト改善効果でも差を埋めることはできなかった。

図3 東京電力の経常損益の増減要因(連結決算)。CIF:運賃・保険料を含む燃料輸入価格。出典:東京電力ホールディングス

 LNGや原油の輸入価格は2015年まで下落を続けたものの、2016年の前半から上昇局面に入った(図4)。電力会社が電気料金に上乗せする燃料費調整額は実際の輸入価格に対して3〜5カ月の遅れで計算するルールになっている。輸入価格が下落する局面では電力会社に差益が生まれ、逆に上昇する局面では差損が生じる。

図4 燃料輸入価格(上)と為替レート(下)の推移。出典:東京電力ホールディングス

 東京電力と同様に大幅な減収減益に見舞われた中部電力の状況を見ると、燃料の輸入価格が大きく低下した前年度の上半期には1200億円の差益があったのに対して、今年度は550億円に縮小している(図5)。今後は輸入価格が上昇するため、年間では前年度の差益1600億円に対して今年度は200億円まで縮小する見通しだ。下半期の収益はさらに厳しくなることが予想できる。

図5 中部電力の燃料費調整額の期ずれ差益。出典:中部電力
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