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» 2016年12月19日 11時00分 UPDATE

自然エネルギー:秋田県大仙市にバイオマス発電所、未利用材で1万5000世帯分の電力

タケエイは秋田県南東部の大仙市に新たにバイオマス発電所を建設する。秋田県内でこれまで有効に活用されてこなかった木材を木質チップに加工し、燃料として利用する。2019年春から、年間1万5000世帯分の電力を発電する計画だ。

[陰山遼将,スマートジャパン]

 タケエイ(東京都港区)は、秋田県大仙市で木質バイオマス発電事業を開始する。発電会社の秋田グリーン電力を設立し、植林・造林・素材生産から製材・販売まで一貫事業を行う門脇木材(秋田県仙北市)との協業の形をとり、門脇木材の製材工場の隣接地に発電所を建設する計画だ。

 発電所の出力は7000kW(キロワット)程度で、売電開始は2019年春頃を予定している。事業総額は約25億円で、地域の活性化および雇用創出に関わる各種助成制度の活用も検討している。発電量は年間1万5000世帯分を見込んでいる。

 木質バイオマス発電の燃料については、森林資源が豊かな秋田県内で、これまで有効に活用されてこなかった木材(低質材・林地残材および端材・樹皮など)を地元の林業者・素材生産者が分別集積した後、門脇木材子会社の秋田バイオマスチップで燃料用チップに加工・製造し、同発電所に供給する。

 こうした事業モデルは、長期にわたる地元素材生産者、製材事業者との密接な連携を図ることで、より有効に機能することになり、原木すべてを無駄なく使いきる、木材のカスケード利用スキームを構築することができるという。プロジェクトでは、秋田県の林業活性化と再生可能エネルギー事業の理想型のひとつとして、「素材生産+製材+売電」を一体的に運営することを目指す(図1)。

図1 事業スキームのイメージ 出典:タケエイ

 また、事業の永続性を企図し、関係をより強固なものにするためタケエイは秋田バイオマスチップに相応の出資を行い、また秋田グリーン電力も門脇木材から出資を受け入れる。双方の出資の割合については現在協議中である。

 発電した電気は、東北電力およびその他小売電気事業者に売電する予定だ。発電した電力の供給についても、他プロジェクトと同様に、同地域での利用を促進することでより進んだ地産地消型エネルギー実現に向けて、地元での小売電気事業への参入も計画している。さらに発電された電気や熱を有効活用するための方策についても検討し、具体化に向けて取り組む方針。

 発電所の年間運転数は330日で運転時間は24時間とする。同社では今回の事業で雇用の創出による地元の活性化、エネルギーの補完、林業の活性化など、地域へさまざまな波及効果が見込んでいる。

 なおタケエイの木質バイオマス発電は、東北地方では4件目(青森県平川市、岩手県花巻市、福島県田村市、秋田県大仙市)となり、2018年の開業を予定している横須賀バイオマスエナジー(神奈川県横須賀市)とあわせ国内5件目となる。

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