ニュース
» 2016年12月20日 07時00分 UPDATE

蓄電・発電機器:低温熱源に貼るだけで発電、効率2倍の曲がる熱電モジュール (1/2)

大きなエネルギー効率の向上が見込めるとして、未利用排熱源に貼り付けて電力を生み出す「熱電モジュール」の開発が活発だ。こうした熱電モジュールの開発を進める日本のベンチャー企業Eサーモジェンテックに、ユーグレナインベストメントなどが運営するベンチャーキャピタルファンドが出資を行った。同社は300度以下の低温排熱への利用を想定した、フレキシブルな曲がる熱電モジュールを開発しており、従来の熱電モジュールより熱電変換効率が高いという。

[陰山遼将,スマートジャパン]

 ユーグレナインベストメントは2016年12月16日、同社が参画するベンチャーキャピタルファンド「リアルテックファンド」の新たな投資先として、フレキシブル熱電発電モジュールを開発するEサーモジェンテックに出資したと発表した。

 住宅・産業・交通など、さまざまな分野でさらなる省エネやエネルギーの効率的な利用が求められる中、大きく注目されているのが「捨てられている排熱」を活用した発電だ。現在、全一次エネルギー供給量の約60%に相当する量の排熱が発生しているといわれている。こうした広い分野で発生する排熱を再活用できば、大きな省エネ効果が見込める。

 今回、出資を受けたEサーモジェンテックは、こうした排熱を活用できる熱発電モジュール「フレキーナ」の開発を進めている。2013年2月に創業したベンチャー企業で、京都府南区に本拠を置く。2013年10月には大阪大学産業科学研究所に開発拠点を開設している。

ターゲットは「低温排熱」

 一口に排熱といっても、その温度はさまざまなあり、それに応じて最適な発電方法は異なる。Eサーモジェンテックが開発を進めているフレキーナは、300度以下の「低温排熱」を利用して発電することを目指した熱発電モジュールだ(図1)。

図1 「フレキーナ」の外観(クリックで拡大)出典:Eサーモジェンテック

 火力発電所や溶鉱炉などで生まれる300度以上の高温排熱は、既に水蒸気による熱回収技術が実用化されている。一方、低温排熱は全排熱の75%を占めるといわれており、高温排熱より排出されている分野・範囲は多い。しかし、こうした低温排熱を対象とする熱発電モジュールには変換効率に課題があり、効率良く発電を行うことが難しかった。発電量が小さい場合、用途も限られてしまう。

 Eサーモジェンテックはこうした低温排熱でも効率よく発電できる熱発電デバイスを目指し、フレキーナの開発を進めている。課題の発電効率の低さを解消するカギとなるのが、フレキーナの大きな特徴であるフレキシブルさだ。

       1|2 次のページへ

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.