住宅太陽光で攻めるLooop、90万円を切る蓄電池と新料金プランを発表太陽光(1/2 ページ)

Looopは住宅太陽光発電システムを導入している家庭向けの新料金プラン「Looopでんき+」を発表した。余剰買い取りの卸先をLooopとすると、従量料金単価を割引く。さらに税別90万円を切る住宅用の蓄電池も発表した。サービスと製品の両面で、太陽光発電を基軸とした同社の事業展開を加速させる。

» 2017年02月28日 07時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 再生可能エネルギーを基軸とした電力小売事業を展開するLooopは、家庭向けの新しい電気料金メニューを発表した。住宅太陽光発電の余剰電力の卸先にLooopを選ぶと、電気料金単価を割引く。同時に低価格を強みとするオリジナルの住宅用蓄電池も発表し、住宅太陽光発電の自家消費ニーズを取り込んでいく考えだ。将来は蓄電池を組み合わせた電気料金の“セット割”も視野に入れる。

 Looopは東日本大震災を契機に、2011年4月に設立したベンチャー企業だ。再生可能エネルギーによる電力の普及を掲げ、太陽光発電事業を展開する他、市場が自由化された2016年4月からは「Looopでんき」として家庭向けの小売電気事業も開始した。Looopでんきは基本料金は0円で、従量料金のみで電気料金が決まるのが特徴だ。2017年2月25日現在、3万8000件の申し込みがあるという。

 Looopでんきに追加した新メニューの名称は「Looopでんき+」。これまでの「おうちプラン」「ビジネスプラン」に加わる3つ目のメニューとなる。住宅用太陽光発電を導入している家庭を対象とし、FIT制度を利用して売電する余剰電力を「Looopでんきの電源として使用する」ことを許諾すると、1kWh(キロワット時)当たりの従量料金単価を1円引き下げるのが特徴だ。例えば、東京電力管内でおうちプランを利用しているユーザーの場合、従量料金が26円/kWhから25円になる。さらにLooopが販売している住宅用太陽光発電システム「LooopHome」を利用しているユーザーの場合は、さらに従量料金単価を1円安くする。

 2017年4月に施行される改正FIT法後は、住宅太陽光発電の余剰売電の買い取りは送配電事業者(電力会社の送配電部門)が行い、その後、小売電気事業者に卸供給を行う形式になる。この際、基本的に小売電気事業者は卸電力取引所を通じて販売する電力を調達するかたちになるが、発電事業者(今回の場合は余剰売電を行う家庭)との個別契約があれば、契約上は直接電力をやりとりすることも認められている。Looopでんき+はこの仕組みを活用したものだ。Looopとしては太陽光発電による電力の調達を増やすことができる。

「Looopでんき+」の概要(クリックで拡大)

 Looopの執行役員で電力事業本部長を務める小島祐輔氏は、Looopでんき+によって、「(電気料金単体では)業界最安水準の価格を実現できる」と語る。Looopでんき+は、4月11日から申込み受け付けを開始し、まずは東京電力、関西電力、中部電力管内で提供を開始し、その後順次拡大していく方針だ。同時に通常のLooopでんきをまだ供給していない中国、北陸地域での展開も開始する。

「Looopでんき+」と「LoopHome」を利用した場合の電気料金のイメージ(クリックで拡大)
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