自動車を電源に、トランクに収納可能な外部充電器電気自動車

ニチコンはEV・FCV・PHVに搭載されている大容量の電池から電気を取り出し、交流100Vに変換する可搬型V2L(Vehicle to Load)システムを開発した。最大1.5kWのコンセント3口に対応。2017年8月からEVパワーステーション「パワー・ムーバー」として発売を開始するという。

» 2017年05月02日 09時00分 公開
[庄司智昭スマートジャパン]

可搬性に優れたトランクケースタイプ

 電子部品メーカーのニチコンは2017年4月、EV(電気自動車)・FCV(燃料電池車)・PHV(プラグインハイブリッド車)の電気を、非常用電源やアウトドアで活用する可搬型V2L(Vehicle to Load)システムを発表した。2017年8月からEVパワーステーション「パワー・ムーバー」として発売を開始するという。価格は65万円(税別)だ。

パワー・ムーバーからの給電と持ち運びイメージ (クリックで拡大) 出典:ニチコン

 V2LシステムとはEV・FCV・PHVに搭載されている大容量の電池から電気を取り出し、交流100Vに変換する機器である。パワー・ムーバーは自動車のトランクに収納できる631×500×302mmサイズで、付属のキャスターにより持ち運びが容易となっている。

 最大1.5kWのコンセント3口に対応。災害など緊急時にEC・FCV・PHVに積み込むことで、復旧までの時間を安心して過ごすことができる。またニチコンは、緊急時に限らず「野外イベントやレジャー用途での電力供給装置として使用可能」とコメントする。

パワー・ムーバーとFCVの接続例 (クリックで拡大) 出典:ニチコン

 対応車種はトヨタ自動車の「MIRAI」、日産自動車の「リーフ」「e-NV200」、三菱自動車のEV「i-MiEVシリーズ」「アウトランダーPHEV」などを予定。「電動自動車用充放電システムガイドライン V2L DC版」に準拠した車種に限るとしている。

 なおニチコンはEV用急速充電器や、V2H(Vehicle to Home)システム「EVパワー・ステーション」も展開している。これにより、EC・FCV・PHVの普及促進を目指す。

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