バイオマス燃料の木質ペレット、輸入増で国内自給率が低下自然エネルギー(1/2 ページ)

林野庁の調査によると、2016年の木質ペレットの国内生産量は前年比で0.5%増加した。一方、海外からの輸入量の増加によって、自給率は、前年比8.3ポイント減の25.7%に下落している。

» 2017年09月01日 07時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

 林野庁は毎年実施している「特用林産物生産統計調査」から、平成28年(2016年)の木質粒状燃料(木質ペレット)の生産動向を取りまとめ、このほど発表した。同年の木質ペレットの生産量は12.0万tで、前年比0.5%(0.1万t)の微増となった。一方で、国内自給率は低下している。

木質ペレットの生産量および工場数の推移(クリックで拡大) 出典:林野庁

 都道府県別に見ると、生産量の上位5位は、岡山県(2万3870t、製材残材中心)、沖縄県(2万0673t、建設発生木材中心)、宮崎県(1万5601t、丸太・林地残材中心)、北海道(6619t)、秋田県(5669t、製材残材中心)の順。沖縄県、岡山県、長野県など17県では、生産量が計1.2万t増加したのに対して、宮崎県、秋田県など23道府県では、生産量が計1.2万t減少し、結果として前年並みの生産量で推移した。

都道府県別の用途別生産量(クリックで拡大) 出典:林野庁

 工場数は兵庫県、奈良県など8府県で計10工場増加する一方で、富山県、鳥取県、岡山県、愛媛県の4県で計4工場減少したことから、前年比6工場増加の148工場となった(生産者数は360人)。最も多く工場が立地するのは北海道の18工場。

 用途別では、燃料用としての生産が11.4万t(構成比94.5%)となり、ほとんどを占めた。

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