アウディ、電気自動車に太陽電池を実装へ電気自動車

Audi(アウディ)は、電気自動車ににフレキシブルな薄膜太陽電池を実装する計画を明かした。太陽電池を組み込んだガラス製ルーフの試作品を、2017年末までに完成させる計画だという。

» 2017年09月01日 07時30分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 Audi(アウディ)は2017年8月、米Alta Devicesの協力のもと、電気自動車(EV)にフレキシブルな薄膜太陽電池を実装していく方針を発表した。まずは、太陽電池を組み込んだガラス製のルーフの試作品を、2017年末までに完成させる予定としている。

 Alta Devicesは、太陽電池の製造開発を手掛ける中国のHanergy Thin Film Power Groupのグループ企業。主にGaAs(ガリウムヒ素)系のフレキシブルな高効率薄膜太陽電池の開発を手掛けている。現時点で単接合型で最大28.8%、二接合型で同31.6%の変換効率を実現しているという。

Alta Devicesが開発している薄膜太陽電池(クリックで拡大) 出典:Audi、Alta Devices

 Audiによると、当面は実装した太陽電池で発電した電力を、EVの空調システムやシートのヒーターに利用していく。車載設備の電力を太陽光で賄うことで、EVの走行距離を伸ばせる可能性がある。将来はクルマの屋根全体を太陽電池で覆い、発電した電力をEVの蓄電池に充電できるシステムを構築する計画だという。

 国内のメーカーでは、トヨタ自動車が「プリウスPHV」にルーフ部分に太陽光パネルを搭載したモデルをオプションとしてラインアップをしている。こちらは発電した電力を、停車中は駆動用バッテリーに、走行中は始動用の12Vバッテリーに供給している。

太陽光パネルを搭載した「プリウスPHV」(クリックで拡大)

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