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» 2017年11月09日 07時00分 公開

IT活用:AI技術を使うメリットとは、社会・電力インフラの保全 (1/2)

三菱電機が社会・電力インフラ向けの新しいIoTプラットフォームサービスを発表。設備の稼働情報などの収集から、AI技術を利用した保全支援サービスなどまでを一貫して提供する。

[陰山遼将,スマートジャパン]

 老朽化対策や稼働率の向上を目的に、電力設備をはじめとする社会インフラにITを積極的に活用する動きが加速している。三菱電機は2017年11月7日、社会・電力インフラ向けのIoTサービス「INFOPRISM(インフォプリズム)」を発表。社会・電力インフラ設備の稼働情報などの収集から解析までを一貫して提供するサービスで、設備の状態把握や故障予測、エネルギーマネジメントに活用できるという。システム納入もしくはクラウドサービスの形式で、国内外で提供する。

INFOPRISMの概要 出典:三菱電機

 三菱電機がINFOPRISMの提供対象とする領域は、上下水道、鉄道、道路、発電所、送配電設備、施設など幅広い。三菱電機 電力システム製作所 副所長の野間元暢氏は、これらの社会・電力インフラに共通する課題として「20〜30年以上前に導入された設備が現在も稼働しており、運用負荷が高まっている。さらに、熟練運転者や技術者の減少に伴う技術損失のリスクも懸念されている。また、エネルギー業界においては電力システム改革によって、発電コストの低減に向けた競争が激化している状況にある」と述べる。

三菱電機 電力システム製作所 副所長の野間元暢氏

 このような背景から、さまざまな設備の運用や保全を効率化したいというニーズは高まっている。三菱電機がそれに応えるかたちで開発したのがINFOPRISMだ。社会インフラ事業を中心に手掛ける同社の神戸製作所と、電力インフラ事業を中心とする電力システム製作所の2つの事業所が共同で開発を行った。

 INFOPRISMの根幹を担うのが、データ収集の部分だ。三菱電機ではINFOPRISM向けに、新たに専用のIoTゲートウェイを開発。産業用PLC向けの通信プロトコルとして広く利用されているModbusや、ビル設備向けの通信プロトコル規格であるBACnetをはじめ、さまざまな産業向け規格に対応。多様な現場機器との接続を考慮して、モジュールの入れ換えによって有線・無線ともにさまざまな通信規格に対応できるようにしている。さらにインフラ用として、耐環境性やセキュリティ機能を高めているのが特徴という。

 対象とする設備によって、どういった情報を、どれだけ取得するかは異なるが、得られたデータは全てこのIoTゲートウェイを通してクラウド上に集積する。分散するさまざまな設備やシステムのデータを集約するが、データ形式は統一して集積する仕組みだという。なお、基本的には、センサーに近い位置(エッジ)でデータ処理は行わず、クラウド上で処理および解析を行うとしている。

INFOPRISMのシステム構成 出典:三菱電機
INFOPRISMにおけるデータ収集方法のイメージ 出典:三菱電機

 収集したデータは、業務内容に適した表示スタイルで可視化を行う。さらに、三菱電機のAI技術「Maisart」を活用した分析を行うことで、設備が故障する前に異常兆候を検知したり、保全計画を最適化したりといったソリューションの提供も可能だという。

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